月1原発映画祭/交流カフェについて

☆月1原発映画祭/交流カフェについて☆

「月1原発映画祭」では、原発に関連した映画・映像を上映し、併せて交流会を開催、監督や制作者などのゲストを迎えてお話を聞いたり、意見交換・情報交換をしたり、日ごろの思いや疑問を語り合ったりする交流の場を提供しています。原発に関することを知りたい、考えたい、話したいという方、いろいろな考えの方が気軽に参加できる会をめざしています。

会場はおもにコミュニティスペース「谷中の家」(台東区谷中3-17-11)ですが、コロナ禍をきっかけにオンラインとのハイブリッド開催も行っています。現在は3ヵ月に1回ほどの開催ですが、スタートした頃の「月1」の名まえは変えずに残しています。

この会を始めるきっかけとなったのは、「原発都民投票」の実現をめざした活動(2011~2012年)でした。東京電力福島第1原発事故のあと、自分たちが使う電気を原発に頼るのかどうか、ひとりひとりが考えて意思表明できる場をつくりたいと願う人たちが輪を広げ、都内各所の自分の住んでいる地域での法定署名活動をおこないました。原発都民投票条例案を都議会にかけるために最低22万筆あまりの署名が必要でしたが、2か月で32万を超える都民の署名が集まり、2012年6月の都議会で審議されました。結果は否決、原発都民投票は実現されませんでしたが、この活動を通じてできた地域でのつながりを生かし、引きつづき情報交換をしていこうということから「地域から未来をつくる・ひがし広場(略称・ひがし広場)」のネットワークができ、原発について継続して語り合っていく場として、2012年5月に「月1原発映画祭/交流カフェ」が生まれました。現在、有志10名あまりでつくる「月1原発映画の会」で運営しています。

月1原発映画祭

2024年4月21日(日) 第79回 月1原発映画祭/交流会 映画『サイレント・フォールアウト』+伊東英朗監督トーク+交流会

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第79回 月1原発映画祭/交流会
映画『サイレント・フォールアウト』+伊東英朗監督トーク+交流会

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●日時:4月21日(日)15時より「谷中の家」& オンラインにて開催

・15:00~16:20 映画『サイレント・フォールアウト』上映
・16:30〜17:00 伊東英朗監督オンライントーク
・17:00〜17:30 交流会(質疑応答やフリートーク)

●参加費: 1000円(お申込み・お支払い方法は、文末の申込み方法をご覧ください)

●定員: 谷中の家20名・オンライン30名(どちらも申込制)

●申し込み期限: 谷中の家4月20日(土)21時・オンライン4月21日(日)12時

今回上映する映画は『放射線を浴びたX年後1,2』の伊東英朗監督が、アメリカの人々に自国の放射能汚染を知ってほしいと願い、膨大な資料と証言を編集された映画です。「アメリカ本土の放射能汚染」という、今までほとんど知られていなかった事実に光が当てられています。
日本国内で劇場上映の予定はありません。監督は、自主上映でカンパをつのり、それをアメリカでの上映資金に充てていくということです。(私たちの会では、オンライン参加の方にカンパ方式で参加していただくことが難しいため、一律1000円の参加費を集めてカンパすることにしました)
どうぞこの機会に貴重な映像をご覧いただき、伊東監督の熱いトークをぜひお聞きください。

●映画『放射線を浴びたX年後Ⅲ サイレント・フォールアウト 乳歯が語る大陸汚染』

19年に渡る独自取材にもとづく、渾身のドキュメンタリー。30人の証言、4000ページに及ぶ文書。アメリカ・ネバダの核実験から広がった“見えない放射性降下物” アメリカ大陸の放射能汚染の実態に迫る。(2023年/76分)

1950年代、アメリカ国内で行われた100回の大気圏内核実験によって アメリカ大陸は放射能汚染された。汚染したミルクを飲み続けた子どもたちの健康を心配した女性たちが立ち上がった。子どもたちの被曝が科学的に証明され、ケネディ大統領は大気圏内核実験中止を宣言。しかし・・・  
映画は、アメリカでほぼ知られていない大陸全土の放射能汚染を伝えたいと製作された。

プロデューサー・監督・脚本・撮影/伊東英朗 
日本語本編ナレーション/加藤登紀子(英語版ナレーション/アレック・ボールドウィン)
文化庁映画創造活動支援事業

日本語版予告編 https://www.youtube.com/watch?v=UvoYH59Dtlg
フォールアウト・プロジェクトHP https://fallout22.com/
FB https://www.facebook.com/x311movie

●伊東英朗(いとうひであき)監督プロフィール

1060年愛媛県生まれ。テレビ局ディレクターを経て、2021年に独立。2004年、太平洋核実験によって日本のマグロ漁師が被爆した事実に出会い、映像化。映画『放射線を浴びたX年後』『放射線を浴びたX年後Ⅱ』を制作。芸術選奨文部科学大臣賞、日本民間放送連盟賞、ギャラクシー賞、日本記者クラブ特別賞など受賞多数。

監督メッセージ:この映画が、日本の未来を考える上でひとつの気づきになることを、そしてアメリカの人たちが事実を知るきっかけになることを、願っています。

●申し込み方法

①「谷中の家」での参加を希望される方

メール eigasai2024★jtgt.info(★を@に置きかえてください)または、
Tel 090-9492-0075(西川)までお申込みください。(人数に限りがありますのでお早めに!)参加費1000円は当日会場でお支払いください。

②オンライン参加の方

下記PeatixのURLをクリックして「チケットを申し込む」をクリックしてください。
https://peatix.com/event/3885933
指示に従ってお支払い方法などを選択してください。手続き完了後、ご登録のメールアドレスあてにチケットのお申込詳細メールが自動配信されます。

*オンライン参加をご希望の方へ
映画についてはzoomを使用せず、動画視聴サイトvimeoの限定公開にて、それぞれご鑑賞いただきます。
トークと交流会については、その後(16:30~)zoomに入室してのご参加となります。
(どちらのURLも申し込まれた方に後ほどお送りします)

■主催:月1原発映画の会

問い合わせ先:eigasai2024★jtgt.info ←★を@に置きかえてください。
https://www.jtgt.info/ (地域から未来をつくる・ひがし広場内)

2023年9月23日(土) 第78回 月1原発映画祭報告

9月23日(土)、山田徹監督をお招きして、映画『新地町の漁師たち』を鑑賞し、監
督トークと交流会を行いました。
当日は、会場とオンライン、合わせて25名の参加者がありました。

映画については「漁師さんたちの葛藤がとても伝わってきて、考えさせられる映画
だった」「どんなにお金をもらっても、原発事故でうけた被害を過去、現在、未来と
つぐないきれるものではない」「映画の時点で10年先はわからないと言っている姿が
あったが、結局10年以上たって、この現状」「漁師の皆さんと監督とのしっかりした
関係があればこそという映像の力を感じた」「事故後の漁業についての大変貴重な資
料」「アルプス処理汚染水放出が強行された今、改めて見なくてはと参加した」など
の感想が寄せられました。

トークでは、取材のなかで出会った方々との対話を通して今考えていることを、監督
が率直にお話くださいました。また、夏に台湾に招かれて上映した際に感じた「台湾
の人々の自由を求める心」についてもお話がありました。トークの様子は後日、録画
を公開予定です。

交流会では、監督が話された「自分事にする」というキーワードから発展して、活発
な意見交換が会場でもオンラインでも行われました。「原発自体の本質的な問題を議
論することなく、汚染水放出を進めてはならない」「無力感を持たせるのが、原子力
ムラのねらい。冷静に分析し、行動を続けなければ」「自分事として考えるには、関
心を持つことにとどまらず自分が具体的に何をするのかまで含めないと」などなど。
たくさんの方のご意見を聞くことで、考えをゆさぶられた時間でした。

監督は今、長く取材を続けている、浪江町から避難されたご家族の映画を編集されて
います。また、「福島と東京」をテーマにした映画の予定もあるそうです。これから
のご活躍に期待しています。山田監督のfacebookはこちらです。
https://www.facebook.com/shinchiryoshi/?ref=embed_page

その他、参加者の方からの情報です。
・10.13 笠井記者オンライン被ばく学習会「原発事故の宿題 中間貯蔵施設の建設と
汚染土の行方」http://anti-hibaku.cocolog-nifty.com/blog/2023/09/post-1ed4fc.
html
 
・8000人の若者も参加したイベントの動画
ワタシのミライ NO NUKES & NO FOSSIL〜再エネ100%と公正な社会を目指して(9月18
日 代々木公園)
https://www.youtube.com/watch?v=xKEb7CeRIXI&t=5845s

*なお、映画祭のYouTubeチャンネルをリニューアル中で、前回堀切さとみ監督の
トーク動画の公開が遅れています。公開しましたらまたお知らせします。

2023年9月23日(土) 第78回 月1原発映画祭/交流会 『新地町の漁師たち』+山田徹監督トーク+交流会

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 第78回 月1原発映画祭/交流会
『新地町の漁師たち』+山田徹監督トーク+交流会
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●日時:9月23日(土)15時より「谷中の家」& オンラインにて開催

・15:00~16:30 映画『新地町の漁師たち』上映
・16:40〜17:10 山田徹監督トーク
・17:10〜17:40 交流会(質疑応答やフリートーク)

●参加費: 1000円(お申込み・お支払い方法は、文末の申込み方法をご覧ください)

●定員: 谷中の家20名・オンライン30名(どちらも申込制)

●申し込み期限: 谷中の家9月22日(金)21時・オンライン9月23日(土)12時

多くの人々の不安や疑問を置き去りにして、放射性物質が混ざった処理汚染水が流され始めてしまいました。外交問題にも発展し、30年以上続くというこの状況を、私たちはどのようにとらえ、考えていけばいいのでしょうか?
今回上映する映画は、福島県最北部、新地町(しんちまち)の漁師さんたちを追った2011年から3年半の記録です。漁業者のみなさんが事故後、どのような状況に置かれ、今回の海洋放出に至るまでにどれほど苦悩、葛藤してきたのか。
第60回の月1原発映画祭(2018年5月)でも上映しましたが、今改めてこの映画を見て監督のお話を聞くことで、原発事故がもたらしたものについてみなさんと考えていけたらと思います。

●『新地町の漁師たち』ストーリー

あの大地震、原発事故で福島の漁師たちの生活は一変した。
 舞台は、3.11後の福島県新地町の漁村。東日本大震災によって引き起こされた福島第一原子力発電所の事故の影響で、当初、再生不可能とまで言われた福島の海。その海を生きる漁師たちはこれからどこへ向かうのか……。
 津波で消えた漁村、浜をさまよう漁師たち、放射能汚染水が排出された海、漁村の伝統祭事を映しながら、物語は「地下水バイパス計画」(汚染水対策)をめぐる交渉シーンへと向かう。
 廃炉行程を一刻も早く進めるために、漁業者から計画容認を得たい国と東京電力……。一方、どう考えても容認しないと復興できないことを理解しつつも反対する漁師たち、また賛成する漁師たち。
 この映画は、津波と原子力災害によって生じたさまざまな軋轢や葛藤の中で生きる福島県漁業者たちの合意形成をめぐる交渉の記録である。(2016年/89分 音楽:3日満月)
公式HP http://songriver-p.com/shinchi-ryoshi/#top 予告編映像あり

●山田徹監督プロフィール

東京出身、自由学園卒、映像作家。記録映画作家の羽田澄子監督に師事。過去作に映画『新地町の漁師たち』(2016、第3回グリーンイメージ国際環境映像祭大賞)。東日本大震災後の福島をフィールドに映像制作を行っている。

●申し込み方法

①「谷中の家」での参加を希望される方

メール eigasai2023★jtgt.info(★を@に置きかえてください)または、
Tel 090-9492-0075(西川)までお申込みください。(人数に限りがありますのでお早めに!)参加費1000円は当日会場でお支払いください。

②オンライン参加の方

下記PeatixのURLをクリックして「チケットを申し込む」をクリックしてください。
https://peatix.com/event/3689743
指示に従ってお支払い方法などを選択してください。手続き完了後、ご登録のメールアドレスあてにチケットのお申込詳細メールが自動配信されます。

*オンライン参加をご希望の方へ
映画についてはzoomを使用せず、動画視聴サイトvimeoの限定公開にて、会場と同時刻(15:00~)にそれぞれご鑑賞いただきます。
トークと交流会については、その後(16:30~)zoomに入室してのご参加となります。
(どちらのURLも申し込まれた方に後ほどお送りします)

●会場:谷中の家(東京都台東区谷中3-17-11)

メトロ千代田線千駄木・JR日暮里・JR西日暮里下車徒歩7分。
よみせ通り、延命地蔵の向かいの路地を入る、2筋目を右折。
角から二軒目。目印は格子戸。

■主催:月1原発映画の会

問い合わせ先:eigasai2023★jtgt.info ←★を@に置きかえてください。
https://www.jtgt.info/ (地域から未来をつくる・ひがし広場内)

第77回 月1原発映画祭/交流会 『原発の町を追われて・十年』+堀切さとみ監督トーク+交流会

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 第77回 月1原発映画祭/交流会
『原発の町を追われて・十年』+堀切さとみ監督トーク+交流会
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●日時:6月25日(日)15時より「谷中の家」& zoom にて開催

・15:00~16:00 映画『原発の町を追われて・十年』上映
・16:10〜16:40 堀切さとみ監督トーク
・16:40〜17:30 交流会(質疑応答やフリートーク)

●参加費: 500円(お申込み・お支払い方法は、文末の申込み方法をご覧ください)

●定員: 谷中の家20名・zoom30名(どちらも申込制)

●申し込み期限: 谷中の家6月24日(土)21時・zoom6月25日(日)14時

今回上映するのは、原発事故で福島県双葉町から避難された方々のその後を追った映画です。堀切さとみ監督は、事故直後のさいたまスーパーアリーナに駆け付け、その後、旧騎西高校の避難所に通って双葉町の方々の思いを映像にしてきました。
『原発の町を追われて』(2012年) 『続・原発の町を追われて~避難民・双葉町の記録』(2013年) 『原発の町を追われて3~双葉町・ある牛飼いの記録』(2017年)。
国は原発推進へとかじを切り、事故による被害者、避難者の方々は、もういないことにされているようです。映画とお話から、事故から12年の今を考えていけたらと思います。
(ご都合がつけば、映画に登場される鵜沼久江さんもご参加いただけるとのことです)

なお、月1原発映画祭では、2014年と2018年にも堀切監督にお越しいただいています。
第24回(2014年4月)の報告はこちらからお読みいただけます。
http://www.jtgt.info/?q=node/543
また、2020年3月のニュースレター(コロナ禍で上映会の代わりに発行)第6号で、堀切監督には鵜沼久江さんへのインタビュー映像をお願いしました。こちらからご覧ください。
http://www.jtgt.info/?q=node/3194
*今回も、当日zoomでご一緒に映画を鑑賞してからトークとなります。事前に各自で映画を観ていただく形式ではありません。参加費は、映画とトーク込みで500円となります。

●作品解説

『原発の町を追われて・十年』(2021年/60分) 福島第一原発事故で7000人の住民が避難を余儀なくされた双葉町。緑豊かな町は、中間貯蔵施設に姿を変えた。事故から10年たった町には五輪の聖火が走り、駅は新しくなったが、誰一人住むことはできないままだ。原発事故からの復興とは何なのか。避難生活を続ける二組の家族を軸に、その軌跡を追った。

撮影・編集・ナレーション:堀切さとみ
出演:鵜沼久江 田中信一 吉沢正巳 他
撮影:見雪恵美 馬場朋子 大久保千津奈               西中誠一郎
音楽:ファンテイルスチール
提供:針谷勉 稲葉孝之

●制作者プロフィール

堀切さとみ:1965年千葉県生まれ さいたま市の小学校で給食調理員として働きながら、2008年に市民メディア講座で映像を学ぶ。初めての作品は、上関原発建設に反対する瀬戸内海の島の人々を撮った『神の舞う島』(2009年20分)。福島第一原発事故後は、福島県双葉町の避難者を撮り続け、本作は4作目。
http://genpatufutaba.com/

●申し込み方法

①「谷中の家」(東京都台東区谷中3-17-11)での参加を希望される方

メール eigasai2023★jtgt.info(★を@に置きかえてください)または、Tel 090-9492-0075(西川)までお申込みください。参加費500円は当日会場でお支払いください。

②zoomにてオンライン参加の方

下記PeatixのURLをクリックして「チケットを申し込む」をクリックしてください。
https://peatix.com/event/3569868
指示に従ってお支払い方法などを選択してください。手続き完了後、ご登録のメールアドレス宛にチケットのお申込詳細メールが自動配信されます。

●会場:谷中の家(東京都台東区谷中3-17-11)

メトロ千代田線千駄木・JR日暮里・JR西日暮里下車徒歩7分。
よみせ通り、延命地蔵の向かいの路地を入る、2筋目を右折。
角から二軒目。目印は格子戸。

■主催:月1原発映画の会

問い合わせ先:eigasai2023★jtgt.info ←★を@に置きかえてください。
https://www.jtgt.info/
(地域から未来をつくる・ひがし広場内)

2022年1月29日(日) オンライン月1原発映画祭/交流会 『かくれキニシタン~声をあげる10年目の福島~』+関久雄監督トーク+交流会


第76回 オンライン月1原発映画祭/交流会
『かくれキニシタン~声をあげる10年目の福島~』+関久雄監督トーク+交流会


チラシ

●日時:1月29日(日)15時よりzoom &「谷中の家」にて開催

・15:00〜16:10 映画『かくれキニシタン』上映
・16:10〜16:40 関久雄監督トーク(監督はZOOMにて参加されます)
・16:40〜17:30 交流会(質疑応答やフリートーク)

●参加費:1000円

(お申込み&お支払いはPeatix から。文末の申込み方法をご覧ください)

●zoom30名・谷中の家10名(どちらも申込制)

●申し込み期限:zoom 1月29日(日)15時・谷中の家 1月28日(土)21時

12月に予定していた上映会を延期しての開催です。
佐渡で「保養キャンプ」を続けていらっしゃる関久雄さんが自ら監督された映画を上映し、お話をうかがいます。保養に参加された方々の生の声、そこから見えてくる福島の今、声をあげることの大切さ、ユニークなタイトルにこめられた意味とは・・・。事故などなかったかのような原発政策が打ち出されている今、関さんの言葉をお聞きして考えたいと思います。
皆さんからの参加費は、必要経費以外関さんの保養活動にカンパいたします。
なお今回はオンラインでの参加が難しい方のために、定員10名ではありますが従来の「谷中の家」にての参加も受け付けます。たくさんの方のご参加お待ちしています。

*今回は、当日zoomでご一緒に映画を鑑賞してからトークとなります。事前に各自で映画を観ていただく形式ではありません。参加費は、映画とトーク込みで1000円となります。

●『かくれキニシタン~声をあげる10年目の福島~』作品紹介

(関久雄 映画「かくれキニシタン」のできるまで より抜粋)
2020年の夏、私たちは米沢と佐渡で保養をやった。コロナも保養も、基本は免疫力をあげることだから止める理由はない。同時に尋常でないこの状況を記録にしておこうと映画作りを始めた。保養の様子や参加者へのインタビューなどを撮る中で、福島の中に生じている対立や分断が見えてきた・・・

2021年製作/作品時間71分
監督 : 関久雄
製作 : 特定非営利法人ライフケア
撮影 : 佐藤広一 今野寿美雄 大野沙亜也
編集 : 大野沙亜也
音楽 : 関久雄 大谷哲範 だるま森+えりこ
イメージ画像 : 総合工作芸術家だるま森
予告編 https://www.youtube.com/watch?v=Ff4e7z-dMiY&t=1s

*「保養」とは、放射線量の低い所で過ごし、体から放射性物質を排泄し、心身ともに元気になっていく活動です。チェルノブイリ原発事故のあったウクライナやベラルーシでは36年たった今も国の事業として保養に行くことができますが、日本は民間の善意に頼るしかない現状です。

●関久雄監督プロフィール

岩手県生まれ。1970年、高校卒業後、横浜で昼は港で働き夜は神奈川大学に通い学生運動や労働運動を体験するも、理論とヘルメットで武装して相手を叩くやり方についていけず、1977年ヒマラヤニストに転向。1983年のヒマラヤでの転落事故がきっかけで帰国後、無農薬野菜の八百屋を始める。1986年のチェルノブイリ原発事故をきっかけに脱原発と非暴力運動に関わる。1994年、福島県の二本松に移住。塾経営、社協ボランティアコーディネーター、施設職員などを勤め、2011年の震災、原発事故以後はNPO法人の職員として原発を止める活動を再開。2012年からは佐渡ヶ島に保養センター「へっついの家」を立ち上げ保養を中心の活動を担う。また、自宅の土を東電と国に届ける「灰の行進」を行ったり、詩作やスタディツアーを通して「福島のいま」を伝え続けている。現在、妻と子どもは米沢に避難中。

●申し込み方法

①zoomにてオンライン参加の方
下記PeatixのURLをクリックして「チケットを申し込む」をクリックしてください。
https://peatix.com/event/3448027
指示に従ってお支払い方法などを選択してください。手続き完了後、ご登録のメールアドレス宛にチケットのお申込詳細メールが自動配信されます。

②「谷中の家」での参加を希望される方
メール eigasai2022★jtgt.info(★を@に置きかえてください)または、
Tel 090-9492-0075(西川)までお申込みください。(人数に限りがありますのでお早めに!)参加費1000円は当日会場でお支払いください。

●会場:谷中の家(東京都台東区谷中3-17-11)

メトロ千代田線千駄木・JR日暮里・JR西日暮里下車徒歩7分。
よみせ通り、延命地蔵の向かいの路地を入る、2筋目を右折。
角から二軒目。目印は格子戸。

■主催:月1原発映画の会

問い合わせ先:eigasai2022★jtgt.info ←★を@に置きかえてください。
https://www.jtgt.info/ (地域から未来をつくる・ひがし広場内)

2022年9月25日(日) 第75回 オンライン月1原発映画祭/交流会 『太陽が落ちた日』+アヤ・ドメーニグ監督トーク+交流会

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第75回 オンライン月1原発映画祭/交流会
『太陽が落ちた日』+アヤ・ドメーニグ監督トーク+交流会
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●日時:9月25日(日)16:00よりzoomにて開催

・16:00〜16:40 アヤ・ドメーニグ監督トーク
・16:40〜17:30 交流会(質疑応答やフリートーク)

●参加費:500円(お申込み&お支払いはPeatix から。文末の申込み方法をご覧ください)

●定員:30名(申込制)

●申し込み期限:9月24日(土)16時

今回は、広島にルーツを持ち、スイス在住、アヤ・ドメーニグ監督の『太陽が落ちた日』を見て語り合いたいと思います。家族の歴史を丁寧にたどり、あの日の広島を体験した人々をたずねるうちに、福島の事故が起こります。登場人物それぞれの生きた時間と心に残る言葉。時に温かいユーモアも感じさせ、しかし深い余韻を残す美しい映画です。
映画は各自ご都合の良い日時に鑑賞していただき、オンラインでトーク&交流会を行います。ご参加お待ちしています。

●映画の視聴方法

以下のアジアンドキュメンタリーズのサイトから視聴料495円を支払ってご覧ください。申込から1週間、何度でも視聴可能です。
https://asiandocs.co.jp/con/227?from_category_id=
初めてアジアンドキュメンタリーズをご利用になる方は、ページ右上の「新規登録」をクリックして指示に従って登録ください。
(交流会に参加できなくても、映画だけをご覧いただくことももちろん可能です)

●『太陽が落ちた日』作品紹介(アジアンドキュメンタリーズより)

広島赤十字病院の若き内科医だった監督の祖父は、原爆投下のその日から被爆者の治療にあたっていた。しかし彼は、生涯を通じて決して自らの体験を語る事はなかった。しかし監督が彼の足跡を辿っていくうち、同じような体験をした看護師と医師にめぐり会う。監督は彼らと出会い、取材を重ねながら、少しずつ祖父に近づいていく。そして、2011年3月11日、福島の原発事故によって、監督の探索の旅は新たな局面を迎えることになる。
2015年製作/作品時間78分
監督:アヤ・ドメーニグ
予告編 https://www.youtube.com/watch?v=Wn52yRSN4dQ&t=6s

●アヤ・ドメーニグ監督プロフィール

1972年日本で生まれ、スイスで育つ。1992年から2000年までチューリッヒ大学で文化人類学、映画学、日本学を学び映像人類学を専門分野としドキュメンタリー『親方』で修士号収得。2001年から2005年までチューリッヒ芸術大学(ZHdK)映像学科で学ぶ。卒業作品『春いちばん』(フィクション、22分)は、ロカルノ、クレモンフェランなど、数々の国際映画祭で上映され、フランスのアンジェ映画祭ではシネシネマ賞を受賞。2015 年長編ドキュメンタリー『太陽が落ちた日』は第68回ロカルノ国際映画祭でワールドプレミア (「批評家週間」部門)。スイスフィルム賞2016において最優秀ドキュメンタリー、最優秀音楽の二つの部門でノミネートされ、スイスフィルム最優秀音楽賞を受賞。
2021年、東京オリンピックに反対する日本のアーティストを描いたテレビドキュメンタリー(「サイレント・フクシマ」)を撮影。
公式HP(英語)
https://www.ayadomenig.ch/

*ドメーニグ監督への質問や映画の感想など、ぜひ交流会でご発言ください。
4歳でスイスに移られた監督は、日本語では複雑な表現ができないかもしれないと、今までは通訳を介したトークをされていましたが、今回は日本語での参加にトライしてくださいます。

●トーク&交流会の申し込み方法

下記PeatixのURLをクリックして「チケットを申し込む」をクリックしてください。
https://peatix.com/event/3345340/view
指示に従ってお支払い方法などを選択してください。手続き完了後、ご登録のメールアドレス宛にチケットのお申込詳細メールが自動配信されます。

■主催:月1原発映画の会

問い合わせ先:eigasai2022★jtgt.info ←★を@に置きかえてください。
https://www.jtgt.info/  (地域から未来をつくる・ひがし広場内)

2022年5月15日(日) 第74回 オンライン月1原発映画祭/交流カフェ 『ミツバチの羽音と地球の回転』 + 鎌仲ひとみ監督トーク + 交流カフェ


第74回 オンライン月1原発映画祭/交流カフェ
『ミツバチの羽音と地球の回転』 + 鎌仲ひとみ監督トーク + 交流カフェ


●プログラム

5月15日(日)15:00〜16:30(zoomによるオンライン開催)
・15:00〜15:40 鎌仲ひとみ監督トーク
・15:40〜16:30 交流カフェ(質疑応答やフリートーク)

映画は各自ご自宅で、前日14日(土)14:00〜当日15日(日)14:00のあいだにご覧ください。この間、何度でも視聴可能です。
(お申込みされた方に、視聴URLをお送りします)

●『ミツバチの羽音と地球の回転』作品紹介

瀬戸内海祝島では自給自足的な暮らしが営まれ、漁師やおばちゃんたちがきれいな海を守りたいと28年間も原発建設に反対してきた。 しかし、圧倒的な経済力と権力が原発建設を推進し続けている。一方、北欧のスウェーデンでは脱石油・脱原発建設を決め、着実にエネルギーを自給エネルギーへとシフトし、持続可能な社会作りが進んでいる。持続可能な社会と暮らしとは。私たちの今はどこへむかうのか。旅するカメラの記録。
監督 鎌仲ひとみ 
製作・配給 グループ現代
音楽 Shing02
プロデューサー 小泉修吉 
撮影 岩田まき子、秋葉清功
録音 河崎宏一、服部卓爾
助監督 豊里洋、南田美紅、齋藤愛
編集 辻井潔
2010年/カラー/デジタル/135分
監督公式HP「ぶんぶんフィルムズ」内 作品情報(予告編あり)
http://kamanaka.com/works/works-movie/works-theater/11/

●鎌仲ひとみ監督プロフィール

早稲田大学卒業と同時にドキュメンタリー映画制作の現場へ。文化庁の助成を受けてカナダ国立映画制作所で研修後、ニューヨークでメディア・アクティビスト活動。1995年の帰国後はNHKで医療、経済、環境をテーマに番組を多数制作。主な監督作品に、2003年『ヒバクシャ—世界の終わりに』、2006年『六ヶ所村ラプソディー』、2010年『ミツバチの羽音と地球の回転』、
2012年『内部被ばくを生き抜く』、2015年『小さき声のカノン—選択する人々』、2013年〜2015年『カノンだよりVol.1〜4』。2019年『インディペンデント・リビング』は初のプロデュース作品。著書に「原発のその先へ−ミツバチ革命が始まる」、「六ヶ所村ラプソディー ドキュメンタリー現在進行形」、共著に「鎌仲監督VS福島大学一年生」、「今こそ、エネルギーシフト」、「内部被曝の脅威」など。多摩美術大学非常勤講師。
公式サイト http://kamanaka.com/

●申し込み方法

こちらのPeatixのURLをクリックして「チケットを申し込む」をクリックしてください。
https://peatix.com/event/3227141/view
指示に従ってお支払い方法などを選択してください。手続き完了後、ご登録のメールアドレス宛にチケットのお申込詳細メールが自動配信されます。

●参加費 1000円(映画視聴・トーク・交流カフェ)

定員 30名
申し込み期限 5月14日(土)14時

■主催:月1原発映画の会

問い合わせ先 eigasai2022★jtgt.info ←★を@に置きかえてください。
https://www.jtgt.info/ (地域から未来をつくる・ひがし広場内)

第73回 オンライン月1原発映画祭/交流カフェ 『原発夫婦』 + 柴原洋一さんトーク

2020年3月に予定した上映会を新型コロナ感染拡大のため中止して早2年。このたび、コロナ禍が続いている状況に対応して、オンラインにて第73回を開催することにしました。映画は各自ご都合の良い日時に鑑賞いただき、トークと交流会はオンラインで集まりたいと思います。ご参加お待ちしています。


第73回 オンライン月1原発映画祭/交流カフェ『原発夫婦』 + 柴原洋一さんトーク


●『原発夫婦』作品紹介


1963年(昭和38年)三重県の南に位置する南伊勢町と大紀町にまたがる芦浜に突如、原発建設計画が持ち上がる。1963年〜2000年までの37年間にもおよぶ苦闘の末、芦浜原発計画は白紙撤回となった。この作品は、その長く辛い闘争を生き抜いた漁師夫婦の記録である。
監督:内谷正文
出演 :小倉正巳 小倉紀子
柴原洋一/大石琢照/大野裕子/中村和人/野村五輪夫
荒木章代/加藤茜/河野みずほ/福田ゆふな/カミシバラーミキナカムラ
(2020年/ 78分/日本)
公式HP https://genpatsu-fufu.info/introduction
参考:月1原発映画祭ニュースレター第3号「三重県芦浜原発阻止20年…原発の断りかた」
http://www.jtgt.info/?q=node/3053

●柴原洋一さん紹介

1958年三重県浜島町(現志摩市)生まれ。県立高校教師だった1990年代に「南島町芦浜原発阻止闘争本部」が組織した全県組織「脱原発みえネットワーク」の事務局長を務めた。現在「原発おことわり三重の会」会員。伊勢市在住。著書に『原発の断りかた ぼくの芦浜闘争記』(月兎舎/2020年)
柴原さんは、『原発夫婦』制作の協力者であり出演もされているということで、今回交流カフェにゲストとしてお呼びしました。

●Vimeoによる映画鑑賞は、各自ご都合の良い時に以下のURLからレンタル料500円を払ってご鑑賞ください。

https://vimeo.com/ondemand/genpatsufufu
Vimeoの利用が初めての方は、ページ右上、緑色の「登録」をクリックして、氏名・メールアドレス・パスワードを登録してください。

*柴原さんへの質問や映画の感想など、ぜひ交流カフェでご発言ください。
トーク/交流カフェに参加されなくても、映画だけを見ていただくことももちろん可能です。

●zoomによるトーク/交流カフェ(定員30名)

2022年3月6日(日)15:00~16:30
15:00~15:40 柴原洋一さんトーク
15:40~16:30 交流カフェ(柴原さんと質疑応答など)
参加費:無料 *事前申込みが必要です(3月5日17時まで)

申し込み方法:以下いずれかの方法で必ず申し込んでください。

1.申込みフォーム「こくちーずプロ」

https://www.kokuchpro.com/event/ea7fdbdb89b90409ba548faccd2f4050/
お名前とメールアドレスを登録してください。
申込み完了のメールが届きますのでご確認ください。

2.メール

eigasai2022★jtgt.info ←★を@に置きかえてください。
件名を「月1原発映画祭申込み」として、お名前とメールアドレスを明記してください。

*申し込まれた方には事前に、交流カフェのzoomアドレスをお送りします。

zoomを初めてご利用の方は以下をお読みください。特にスマホやタブレットで参加される場合は、事前にzoomアプリのダウンロードが必要です。
http://group-nexus.jp/nexus/wp-content/uploads/2019/05/manual_zoom_20190...

■主催:月1原発映画の会

問い合わせ先 eigasai2022★jtgt.info ←★を@に置きかえてください。
https://www.jtgt.info/ (地域から未来をつくる・ひがし広場内)

月1原発映画祭ニュースレター第16号

「月1原発映画の会」スタッフの小林です。
月1原発映画祭ニュースレター第16号をお届けします。

■ 今月のトピック「小型モジュール炉って何?」

気候変動対策のひとつとして、「新型炉」「第4世代炉」などと呼ばれる次世代原子炉に期待する声があります。現世代にも次世代にも原子力は要りませんが、どんなものなのか知っておきたいと思いました。
新型炉と呼ばれるものには「小型モジュール炉」「高速炉」「高温ガス炉」「溶融塩炉」「超臨界圧水冷却炉」「進行波炉」など、いろいろとあるようです。前回のニュースレターの中に「日立とGEが小型モジュール炉をカナダの電力会社から受注」「アメリカがルーマニアに小型モジュール炉を導入する計画」などのニュースがあったので、今回は特にこの「小型モジュール炉」について調べてみました。

◆ 小型モジュール炉(SMR=Small Modular Reactor)の特徴は・・・

・出力が小さい。(30万kW以下。現在の主流炉は100万kW超)
・「モジュール建築」のように、規格化された部材一式を工場で生産し、現地で組み立てる。プレハブ住宅のイメージ。

◆ 推進派が主張する利点と、それに対するまっとうな反論

(1)発電時にCO2を出さないクリーンなエネルギーで、しかも小型。

反論:小型とはいっても核反応を起こす原子力発電。発電時にCO2を出さなくても「日常的な放射能汚染」「核のゴミを生産し続ける」「事故の危険性」のデメリットを帳消しにはできない。そもそも商用展開できる炉は完成していないので、温暖化対策にも間に合わない。

(2)大型炉より冷却が早い。しかも、原子炉全体をプールに沈めておけるので、メルトダウンを起こしにくい。よって従来炉より安全。防災計画エリアも縮小できる。

反論:放射性物質を扱う限り、安全は保障されない。軽水炉(従来炉)とは違う形の事故の可能性があり、その対策も一朝一夕にはできない。原子炉が小さくなったからといって、テロや事故からの防御の必要性はなくならない。

(3)部材が規格化され工場で組み立てて現地へ運ぶため、品質管理がしやすく工事期間も短くて済む。コストが削減でき、大量生産もできて、経済性が向上。

反論:大型炉1基の代わりに小型炉数基を製造するなら、経済性は発揮できない。下がり続ける再エネのコストと競争はできない。複数設置するには立地自治体との調整も複雑になる。大量生産は、故障と改良を繰り返す原子力には向かない。テロや事故へのセキュリティコストが減るわけではない。

(4)電力需要が小さい地域や電力グリッドの未発達な地域(途上国等)への普及が可能となる。発電が終わったら撤去が容易なので、核兵器への転用を防ぐことができ、核不拡散に効果的。

反論:世界各地に設置されることになれば、それだけ放射性物質の管理が難しくなり、核兵器に転用される可能性も高まる。原発でなく、それぞれの地域に合った再エネ施設を作れば良い。

◆ 「新型炉」というけれど、実は新しくない?

小型モジュール炉にかかわらず、小型炉は実は1950年代から存在しています。
世界初の原子力発電所は、1954年にロシア(ソ連)で稼働した0.5万kWの小型炉。それ以来、原子力潜水艦や人口衛星のエネルギー源として、何百もの小型原子炉が作られてきました。現在革新的なものとして宣伝されている技術のほとんどは、すでに数十年前に考えられたものだそうです。今までに50以上の異なるデザインの小型炉が設計、開発されたようですが、建設されたのはわずか。そのほとんどは現在、一般の原子炉と同じく老朽化しているそうです。

◆ では誰が、何のために、小型モジュール炉を進めようとしているのでしょうか?

自然エネルギー財団のコラムで見つけた答えを要約すると・・・
・各国政府は小型モジュール炉を推進することで、気候対策をしているように見せかけて、その実、対策を先延ばしにできる。
・小型モジュール炉は、運転可能な形態ではまだ存在しないため、本当の問題に直面することもない。
公益法人自然エネルギー財団「小型モジュール式原子炉は、たいていが悪策だ」
https://www.renewable-ei.org/activities/column/REupdate/20210528.php

*以上、簡単ですがまとめてみました。説明の足りない部分があると思いますので、どうぞ以下の動画(原子力市民委員会と、原子力資料情報室)もご覧ください。
「新型」とはいっても危険な放射性物質を扱い、廃棄物を生み出してしまう原子力発電。小型炉などの新規開発に期待をもたせることは、再エネなど他の安全な技術への投資を妨げることになります。気候変動対策として他の国では原子力回帰の動きもありますが、福島の事故を経験した日本は、原子力をこれ以上使わないという決断をするべきではないでしょうか。(文責:小林)

(参考にした動画と資料)
・原子力市民委員会「原発ゼロ社会への道」第8回「新型原子炉」に未来はあるのか?
http://www.ccnejapan.com/?p=12286 (60分)
・原子力資料情報室 連続ウェブ講座2021第5回「新型炉問題-高速炉を中心に」
https://www.youtube.com/watch?v=z45jGKFR1Ow (60分)

・EnergyShift 「世界で注目を集めている小型原子炉は、本当に脱炭素の選択肢になるのか」
https://energy-shift.com/news/693065ca-965a-4f55-9fc3-550cf5f85cd1
・資源エネルギー庁「原子力にいま起こっているイノベーション(前編)~次世代の原子炉はどんな姿?」
https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/johoteikyo/smr_01.html

■ インフォメーション


2021年12月18日、台湾の貢寮(コンリャオ)にある第4原発建設の再開を問う国民投票があり、反対多数で否決されました。日立、東芝が輸出した原子炉です。40年間、反対運動を続けてきた台湾(貢寮)市民とともに喜びたいと思います。
このニュースは、日本ではほとんど話題にされませんでした。同時に4つの議題が投票にかけられていて「アメリカからの成長促進剤入り豚肉の輸入」についてだけが主に報道されていました。

・フォーカス台湾:国民投票4件全て不成立 成長促進剤入り豚肉、輸入継続へ(2021/12/18)
https://japan.focustaiwan.tw/politics/202112180007

・ノーニュークス・アジアフォーラムジャパン:4,262,451票もの強力な反原発票をありがとう、第四原発を終結させ、核のない社会へ(2021/12/27)
http://nonukesasiaforum.org/japan/archives/2534

月1原発映画祭では2013年に2回、映画『こんにちは貢寮』を上映しました。第4原発と反対運動については、ゲストトークでの報告に詳しいです。興味のある方はどうぞお読みください。
第16回報告 http://www.jtgt.info/?q=node/380
第19回報告 http://www.jtgt.info/?q=node/397

■ 一行ニュース

・北海道新聞:「核抜き条例案」蘭越町も可決(2021/12/17)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/624015/

・東京新聞:ナトリウム77トン抜き取れず もんじゅ、新機器開発必要(2021/12/23 )
https://www.tokyo-np.co.jp/article/150695

・日本経済新聞:柏崎刈羽原発7号機でも溶接不備 1000カ所以上で再施工(2021/12/24)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCC2496C0U1A221C2000000/

・赤旗:独 原発3基31日停止 全廃政策新政権も継続 22年残る3基も停止、廃炉へ(2021/12/29)
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik21/2021-12-29/2021122906_01_0.html

・東京新聞:処理水タンク「23年春に満杯」は苦しい主張? 後ずれの試算でも海洋放出へ突き進む東電(2021/12/30)
https://www.tokyo-np.co.jp/article/151666

・日本経済新聞:米国の高速炉計画に日本参加へ 原子力機構など協力(2022/1/1)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA010PX0R00C22A1000000/

・朝日新聞:原発は「低炭素への移行を加速」 欧州委が位置づけ方針発表(2022/1/2)
https://digital.asahi.com/articles/ASQ120HHTQ11UHBI00B.html

・朝日新聞:市民ら「金品受領、儀礼の範囲外」関電元役員不起訴で検審申し立て(2022/1/7)
https://digital.asahi.com/articles/ASQ175JR7Q17PTIL01J.html?iref=pc_phot...

■来月の予定

来月は、オンライン上映会&トークを企画中です。

■ 月1原発映画の会

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http://www.jtgt.info/ (地域から未来をつくる・ひがし広場内)

月1原発映画祭ニュースレター第15号

「月1原発映画の会」スタッフの阿部です。
月1原発映画祭ニュースレター第15号をお届けします。

■今月のトピック「気候変動と原発」


11月18日、英国グラスゴーで開かれていたCOP26(国連気候変動枠組条約第26回締約国会議)が終了しました。大気中の温室効果ガス濃度を安定させることを目的にしたこの締約国会議には、11月現在197カ国・地域が参加しています。
温室効果ガスによる地球への悪影響は深刻で、2015年の「パリ協定」(COP 21で採択)では、「世界の気温上昇を産業革命前と比べて2度より十分低く保ち、1.5度に抑える」ことを努力目標としていましたが、今回採択された「グラスゴー気候合意」では、一歩進んで1.5度が明確な目標になりました。石炭火力発電の段階的削減も明記されています。

・日経: COP26の成果文書「グラスゴー気候合意」要旨(2021年11月15日)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA150WS0V11C21A1000000/

COP26期間中、温室効果ガス排出量世界1、2位の中国と米国は、メタンの排出削減での協力や、2025年に10年後の排出削減目標を国連に提出することなどを盛り込んだ共同宣言を発表。また排出量世界3位のインドは、2030年に再生可能エネルギーの比率を50%にし、2070年までに排出実質ゼロ(カーボンニュートラル)にすると表明しました。
あらためて世界の脱炭素に向けての動きを見てみました。まずはヨーロッパです。

■ ヨーロッパでは原発復帰


▶︎【イギリス】ジョンソン首相は2035年には、化石燃料に頼らず風力発電や原発などで全電力をまかなう計画を掲げました。すでにイギリスの電源構成では、1990年に70%を超えていた石炭は2%未満。地形の利を活用して世界一の洋上風力発電大国となっていて、風力や太陽光などの再生可能エネルギーが4割に達しています。再エネとともに原発も脱炭素化の中核電源として位置づけており、次世代の小型原子炉の実用化に取り組むとしています。
参考 イギリスの電源構成(2020年/( )内は1990年)
①ガス35.7%(0.1%) ②風力と太陽光28.4% ③原子力16.1%(19.8%) ④その他の再エネ12.6% ⑤石油など3.3%(6.5%) ⑥水力2.2%(1.8%)⑦石炭1.8%(71.9%)

・47NEWS: COP26開催、議長国イギリスの野望(2021年11月6日)
https://nordot.app/828935864833589248


▶︎【フランス】マクロン大統領は11月9日に国内での原子力発電所の建設を再開すると発表し、原発建設が気候変動対策になると強調しました。ヨーロッパではフランスを中心に原発を推進する動きが復活しています。
EUは近く「持続可能な経済活動」のリストを策定しますが、脱炭素に資する産業への投資を促進するのが狙いで、指定された業界は公的補助を受けやすくなります。フランスやポーランドなどは、原発をこのリストに含めることを求めています。

・日経: フランス、原発建設再開へ マクロン氏「脱炭素へ必要」(2021年11月10日)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR100IQ0Q1A111C2000000/

・日経: フランス先頭に原発へ回帰するEU(The Economist)(2021年11月2日)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB310JX0R31C21A0000000/


▶︎【ドイツ】福島第1原発の事故を受け、メルケル首相(当時)が2022年末までに全ての原発を停止する方針を定めました。ショルツ新首相が率いる新政権は、環境重視のグリーン経済へ移行するため気候変動対策として以下の計画を掲げています。2030年までに石炭火力を段階的に廃止し、電力の80%を再生可能エネルギーでまかなう、新しい商業施設の屋根に太陽光パネルの設置を義務付ける、16の州で面積の2%で風力発電を活用し、水素エネルギーにも注力する、約1,500万台の電気自動車の導入を目指すなどです。
しかし一方で、エネルギー価格の高騰を理由に市民の半数が、2022年末の原発廃止に反対しているというアンケート結果もあります。

・朝日: 気候変動対策8年前倒し ドイツ新政権、3党寄り添い世界をリードへ(2021年11月26日)
https://www.asahi.com/articles/ASPCT6Q7TPCTUHBI00B.html

・BBC: ドイツ3党が連立で合意、ショルツ新政権が12月発足へ メルケル政権に幕(2021年11月25日)
https://www.bbc.com/japanese/59411875

■米国も脱炭素化に向けて原発を活用


バイデン大統領によって、米国は地球温暖化対策の世界的枠組み「パリ協定」に復帰しました。2050年に温室効果ガス排出実質ゼロ実現を目指す米国は、2035年までの脱炭素化を掲げています。太陽光や風力などの再生可能エネルギーの導入比率を最も増やすとする一方で、原発を有力な温室効果ガス無排出電源と位置付け、2030年代から2040年代に電源構成比を増やす可能性があるとしています。次世代の小型原子炉開発にも積極的に投資する方針で、11月2日に、ルーマニアへの導入計画を進めると発表しました。

・産経: ルーマニアが米製小型原子炉導入 中国メーカーとの協定破棄(2021年11月2日)
https://www.sankei.com/article/20211103-E6HSA64MU5IZ7KQDAXPZBSFCQU/

■日本の脱炭素は困難を極める?


温室効果ガス排出量5位の日本は、昨年10月、菅首相(当時)が2050年のカーボンニュートラルを宣言。4月には2030年度における温室効果ガス削減目標を引き上げると発表し、2013年度比で46%削減、さらに50%削減に向けて挑戦を続けるとしました。
トヨタ自動車・豊田章男社長はカーボンニュートラルの実現に向けて革新的な脱炭素技術開発に挑む意欲を示していますが、それを形にしたものの一つが、静岡県裾野市にトヨタが建設中の実験都市「ウーブン・シティ」といえそうです。この都市では水素の利活用でエネルギー自給自足を目指します。

・東京:裾野 トヨタ実証都市「ウーブン・シティ」 水素使いエネルギー自給 カフナー取締役「街づくりに貢献」(2021年10月7日)
https://www.tokyo-np.co.jp/article/135403

日本は環境NGOの国際ネットワーク「気候行動ネットワーク」によって、温暖化対策に後ろ向きな「化石賞」に選ばれていますが、COP26後も政府関係者が水面下で、商社や電力・ガス会社に対して化石燃料からの脱却ペースを落とすことや、石油・ガス関連事業への新規開発投資を奨励していると「Bloomberg」が伝えています。( https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2021-12-02/R3GVLQDWX2PS01

COP3時代から地球温暖化問題に取り組んできた環境省OBに話を聞いたところ、決して今後も原子力依存を前提に考えていくという必要はないということでした。曰く、「日本は原発がなくても再エネでまかなうことは可能」。ただし、「日本の脱炭素実現に向けて“既存の”原子力発電所の活用は効率的だということも確か」とも。このニュースを書いてあらためて考えたのは、やっぱり一人ひとりができる省エネが基本!ということでした。
2017年8月、55回目となった月1原発映画祭では河合弘之弁護士が監督した『日本と再生 光と風のギガワット作戦』を上映しました。現在YouTubeで無料公開されています。
https://www.youtube.com/watch?v=g8syYn0KTss

原子力市民委員会のオンライン企画「原発ゼロ社会とカーボンニュートラルは両立できる」もぜひご覧ください。
https://www.youtube.com/watch?v=iQcXuE0IpJs&t=627s
(文責:阿部)

■一行ニュース

▪朝日新聞:関電元役員ら不起訴、告発者「ありえない」 地元は沈黙(2021/11/9)
https://digital.asahi.com/articles/ASPC96DPPPC9PTIL01H.html

▪朝日新聞:原発避難者の医療費支援、縮小へ 23年度にも 国が自治体と協議(2021/11/10)
https://digital.asahi.com/articles/ASPC97223PC8ULZU00X.html

▪NHK:「MOX燃料」高浜原発に到着 国内への搬入は約4年ぶり 福井(2021/11/17)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20211117/k10013351031000.html

▪朝日新聞;島根原発巡る住民投票へ署名活動始まる 米子・境港(2021/11/20)
https://digital.asahi.com/articles/ASPCM6VHNPCMPUUB00Q.html

▪東京新聞:27日から海底トンネル建設に向けた調査へ 処理水海洋放出の準備が本格化 東京電力福島第一原発(2021/11/26)
https://www.tokyo-np.co.jp/article/144947

・朝日:日立とGE、カナダで小型原子炉を受注 「脱炭素」の利点強調(2021/12/3)https://www.asahi.com/articles/ASPD352KLPD3ULFA01V.html

■次回のニュースレター

次回のトピックは「小型原子炉って何?」の予定です。

■ 月1原発映画の会

問い合わせ先  eigasai2021★jtgt.info ←★を@に置きかえてください。
http://www.jtgt.info/ (地域から未来をつくる・ひがし広場内)

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