月1原発映画祭ニュースレター第5号

月1原発映画祭ニュースレター第5号

■今月のトピック「電力会社乗り換えを考える」

2016年から家庭でも電力会社を自分で選択できるようになりました。2011年の福島第一原発事故を経て、原発に頼らない電力供給をと考え、すでに電力会社を乗り換えた方もいらっしゃることでしょう。
月1原発映画祭は、消費者の声をたくさん集めて持続可能な社会に向けてエネルギーの未来を変えていく「パワーシフト」の賛同団体になっています。「パワーシフト」ホームページには、電力会社の紹介や電力会社乗り換え体験談も掲載され、電力会社乗り換えを考えている方の参考になります。

*パワーシフトホームページ〜未来をつくる“でんき”のえらび方

https://power-shift.org

月1原発映画祭ではこれまで2回、「パワーシフト」事務局も務める国際環境NGO FoE Japanの吉田明子さんをゲストにお迎えし、電力会社の選び方をテーマにお話をうかがいました。

*吉田明子さんの「パワーシフト!自然エネルギーを重視する電力会社を選ぼう」の資料はこちら

http://www.jtgt.info/sites/default/files/2018-09-22-2.pdf

さて、今回ニュースレターを担当している阿部は、電力会社乗り換えなきゃと思いながら、怠慢のため行動にうつせていない派でしたが、私にもついに行動のときが訪れました。直接のきっかけは東京都の広報紙で見た「みんなでいっしょに自然の電気」キャンペーンです。「東京都って東京電力の大株主じゃないの? でも電力会社乗り換え応援するんだ」と興味がわき、キャンペーンに応募しました。

*「みんなでいっしょに自然の電気」キャンペーン

https://group-buy.metro.tokyo.lg.jp/energy/shutoken/home

今回が3回目となるこのキャンペーンは、東京都のほか、埼玉県、千葉県、神奈川県、横浜市、川崎市、千葉市、さいたま市、相模原市の9都県市が連携して行っているものです。キャンペーン事務局がオークションで提示された料金メニュー提案から電力会社を選び、私たち登録者に提示 。見積もり内容を見た上で、実際に切り替えるかどうか決めるという仕組みです。なお、電力会社がオークションに参加するためには、①提案する料金メニューに、再エネ電気が年間総電力供給量の30%以上を占めること、②CO2排出係数が東京都平均を下回っていることの条件があります。

前回のキャンペーン参加者は約4,800人。今回は2月15日が応募締切ですが、先日、キャンペーン事務局から今回選ばれた電力会社(昨年に続き、ミツウロコグリーンエネルギー)と料金の見積もりの連絡が来ました。納得できたら①自然の電気30%以上プランか、②自然の電気100%プランを選んで、3月1日までに契約するかどうか決めることになっています(この後の経緯は次回以降のニュースレターでご報告します)。

昨今お得な料金プランや特典をセールス文句に乗り換えを勧められることも増えています。また今季の豪雪で、やっぱり原発がないと電気が不足する、あるいは電気代が高くなるなどの誤った知識をインプットするような声も大きくなっています。しかし原発を推進したい人たちの意見にすぎない可能性もあるので、きちんと検証していくことが必要です。パワーシフトでは電力市場価格(私たちが支払う電気代自体ではありません)が高騰していた一時期「切り替えは待って」としていましたが、1月最終週からの価格安定を見て再び「切り替え」を呼びかけています。
詳しくは以下の記事をご覧ください。

*電力市場価格高騰とパワーシフトについて

https://power-shift.org/210122_jepx/
電力会社乗り換えについて前出・FoE Japanの吉田明子さんからコメントをいただきました。
「電力自由化からまもなく5年を迎えます。20%近い人が電気を切り替え、そのなかで自然エネルギーの電気を選びたい、パワーシフトの声も少しずつ大きくなってきています。とくに2020年は若い人たちが気候危機への関心からパワーシフトにも関心を持ち、積極的に発信してくれたことが大きな希望です」

吉田さんは、いま国が行っている「エネルギー基本計画の見直し」について続けます。
「審議会での議論では、『技術を組み合わせて火力発電も使い続ける』『原子力は重要』などの声があがっています。これに対して、環境団体や若者団体などで、エネルギー基本計画見直しに声を上げるプロジェクト『あと4年、未来を守れるのは今』もスタート、署名や意見提出を呼びかけています」

*「あと4年、未来を守れるのは今」プロジェクトはこちら。

http://ato4nen.com

さて、市民電力に関する映画というとなんといっても『シェーナウの想い』。南ドイツのシェーナウという、人口2,500人の小さな町で、住民が原発に依存したくないと自分たちの電力会社を作ってしまうドキュメンタリーです。月1原発映画祭でも何度か見てきましたが、現在、Youtubeで全編視聴できます。
https://www.youtube.com/watch?v=g7FUorP4wAo&feature=emb_title

(文責:阿部)

■ 超ショートコラム「自分の言葉で答えよう」

「原発ないと困るでしょ」って言われたら?→「電力消費は減るし再エネもあるから困りません。むしろいらない放射能が増えるほうが困るでしょ」
「原発ゼロの主張は無責任」って言われたら?→「福島でもどこでも始末ができない放射能を増やすのこそ無責任」         (新宿区・瀬川嘉之)

◉ご寄稿ありがとうございました。この「自分の言葉で答えよう」のコーナーでは皆さんからの投稿を募集しています。「原発ないと困るでしょ」「原発ゼロの主張は無責任」などと言われたらあなたはどう答えますか? 200字以内、名前/ペンネーム、住んでいる地名などは投稿された方の任意とします。
投稿の原稿はメールでeigasai2021★jtgt.info宛にお送りください。←★を@に置きかえてください。

■ 1行ニュース

1. 関電大飯原発4号機が再起動 設置許可取り消し係争中(2021.1.15)
https://www.tokyo-np.co.jp/article/80178

2. 原発立地、国の厚い支援延長へ 福島事故後初も議論なし(2021.1.19)
https://www.asahi.com/articles/ASP1L5TBJP1HULZU00J.html

■インフォメーション

1.「黒い雨はどこまで降ったか~気象専門家 増田善信の約束」YouTubeで公開
黒い雨動画作成チームの権上かおるさんから情報提供いただきました。昨年7月広島地裁で、放射能を含んだ「黒い雨」を浴びながら被爆者健康手帳を交付されていなかった人たちに、交付を認める判決が出されました。その判決で採用された調査の経緯を紹介した映画です。福一事故と健康調査の問題に重なることでもあります。ぜひご覧ください。
★動画はこちらから
https://youtu.be/FLVW5Lv1q8s

2. 原発の是非を問う国民投票を描いたフィクション映画『国民の選択』3月5日公開(宮本正樹監督からの情報です)
https://www.kokumin-movie.com/

3. 「3.11福島を忘れない」江古田映画祭開催(2月27日〜3月12日)
https://www.musashi.ac.jp/news/20210119-02.html?fbclid=IwAR30U9OiWP3_uzd...

4. FoE Japan オンラインセミナー開催(事前申し込み制)
・2月14日に10年目の福島(5)—原発事故避難 
https://www.foejapan.org/energy/fukushima/210214.html
・2月23日に10年目の福島(6)—原発事故避難者の生活は?−新潟県による検証が明らかにしたもの
https://www.foejapan.org/energy/fukushima/210223.html

■ 次回のニュースレター

次回のトピックは「原発避難者の今」の予定です。
*ニュースレターのバックナンバーはこちらから
http://www.jtgt.info/?q=taxonomy/term/21

■ 月1原発映画の会

問い合わせ先  eigasai2021★jtgt.info ←★を@に置きかえてください。
http://www.jtgt.info/ (地域から未来をつくる・ひがし広場内)

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