2015年9月26日(土) インドネシア「アクト・オブ・キリング」はなぜ起きたのか
第87回JANNI連続講座
インドネシア「アクト・オブ・キリング」はなぜ起きたのか
〜明かされない9・30事件の謎、消えない虐殺の記憶~
講師:松野明久(大阪大学大学院教員、JANNI運営委員)
日時: 2015年9月26日(土) 午後2時~4時
(午後1時半開場)
場所: 渋谷区勤労福祉会館 2階 第2洋室
〒150-0041 東京都渋谷区神南 1-19-8 Tel: 03-3462-2511
渋谷駅から徒歩8分
https://www.city.shibuya.tokyo.jp/est/kinro.html
参加費: 1000円(JANNI正会員 500円)
【講座の内容】
日本でも公開上映された気鋭のドキュメンタリー作家J.
オッペンハイマーの映画『アクト・オブ・キリング(殺人という行為)』とそれに続いた『ルック・オブ・サイレンス(沈黙のまなざし)』はインドネシアで起きた虐殺を、それぞれ「加害者」と「被害者」の視点から追った作品でした。
1965年の9・30事件はインドネシアの政治体制を180度転換させた重大事件であると同時に、冷戦期アジアの政治地図を大きく塗り替えた世界史的な出来事です。
カリスマ的なスカルノ大統領の下、対立していた陸軍と共産党のあやういバランスは、軍内グループによる陸軍首脳部6人の殺害で一気に崩れ、陸軍は報復として共産党関係者の大量殺害を指揮しました。スカルノ体制護持を掲げて決起した軍将校たちの運動がなぜ陸軍首脳陣の殺害に至ったのか、共産党が背後
で軍内グループを操っていたと言われるが本当はどうか、なぜ50万人とも100万人とも言われる共産党関係者が殺されたのか、事件の真相はまだ闇の中です。
事件後、共産党掃討作戦を指揮したスハルトは大統領になり、いわゆる新秩序体制を築きました。それが崩壊した1998年以後、関係者・被害者が口を開くようになり、研究も大いに進みました。またインドネシアの国家人権委員会は1965年に起きた人権侵害を「人道に対する罪」とする報告書を出しました。この講座では決起事件と大量殺害の両方について最新の研究を踏まえて解説します。
【講師紹介】
大阪大学大学院国際公共政策研究科教員。東京外国語大学大学院修了。バリのウダヤナ大学に留学。9・30事件関係の論文に「淫らで残忍な女たち
~インドネシア新秩序の反ゲルワニ・プロパガンダ」(大阪外国語大学グローバル・ダイアログ研究会<代表・武田佐知子>編)、『痛みと怒り圧政を生きた女性のオーラル・ヒストリー』(明石書店、2006年)、「敗北させられた女たちに捧げるレクイエム~アユ・ウタミの『ラルン』を読む」『えくす・おりえんて』(大阪外国語大学言語社会学会学会誌、2007年)など。また、翻訳『孤独な愛の風景~1950年代のインドネシア文学から』(現代企画室、1992年)はのちに発禁となった共産党系文化団体の作家2人の代表的作品を集めたもの。
【問い合わせ先】
日本インドネシアNGOネットワーク(JANNI)
〒110-0005 東京都台東区上野5-3-4 クリエイティブOne秋葉原6F
Phone: 03-5818-0507 E-mail: janni@jca.apc.org
Homepage: http://www.jca.apc.org/~janni/
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