2017年9月2日(土) 希望のまち東京in東部読書会第48回「もしマルクスがドラッカーを読んだら資 本主義をどうマネジメントするだろう」

希望のまち東京in東部読書会第48回「もしマルクスがドラッカーを読んだら資
本主義をどうマネジメントするだろう」
読書会ドラッカー特集の後半は、重本直利『もしマルクスがドラッカーを読ん
だら資本主義をどうマネジメントするだろう』(かもがわ出版、2012年)です。
マルクスとドラッガー・・・水と油とまでは言わないが、一般的には結びつか
ない組み合わせと思います。

この間の市民カフェ、読書会で新自由主義の原点に全体主義(ファシズム、ソ
連型社会主義)による個人の抑圧への拒絶があったことが指摘されました。新
自由主義の名で実際に行われている政治についての評価に違いがあっても、そ
のことは歴史的事実であることは間違いありません。

一方、新自由主義と同様に全体主義への拒絶から、徹底した個人主義(新自由
主義)とは別の模索をした流れがあったことも注目すべきと思います。それが
ドラッガーであり、個を大切にする思想であるとともに、人間の社会性と向き
合い、組織が個を押しつぶさない方法論を模索した人であります。

このことを想起したのは次回の報告書が、『もしマルクスがドラッカーを読ん
だら資本主義をどうマネジメントするだろう』の出版の過程で行われた著者の
講義と討論に参加したという経緯があったからです。

読書会の議論をきっかけに同書を再読したところ、働き方改革の議論にも関係
するし、市民社会論にあるNPOの運営、さらには柄谷のアソシエーションの言
及があり、知の連鎖の必然性のようなものを感じました。

今、マルクスとドラッガーを重ねて議論する意味は、報告者が出版当時にアマ
ゾンに書いレビューから今も変わることはないと思います。マルクスとドラッ
ガーの組み合わせを奇と見るか、可能性を見出すかは、意見が分かれるかもし
れませんが、新鮮な視点であることは間違いありません。読書会で闊達な議論
になることを期待しています。

(以下、アマゾンレビューの抜粋、一部改定あり)
「大多数が幸せになれない社会を、マルクスとドラッガーのコラボレーション
で打開できるのではないかというのが、この書の主眼といえるだろう。マルク
スは、資本主義の仕組みの解明とその変革に生涯を捧げました。彼の資本主義
の深い分析は、現代の資本主義の閉塞状況の分析に役立ち、今でもその生命力
は失われていません。しかし、彼の理論の問題か、時代がそこまでたどり着か
なかったからか、議論はあると思いますが、彼は社会主義の入り口すら見るこ
とができませんでした。マルクスは資本主義を乗り越える社会を具体的に語る
だけの時代に生きてこなかったともいえます。

他方、ドラッガーは二つの大戦、世界恐慌、戦後の大衆消費社会の中で生き、
活躍しました。マルクスのように社会全体を変革するという大きなスケールは
ありませんが、企業や組織の在り方、その中での個々の人間の役割がどうある
べきかを論じました。大きなスケールはないが、企業も社会の中にある存在と
して、今でいう「企業の社会的責任」を強調し、企業内の人間関係も統制では
なく自発性を重視しました。

激しい競争にさらされ、利益を獲得を行動原理にしている資本主義社会の中に
あって、マルクスに劣らない理想主義であり、成功したかどうかの評価は別に
して、それを実現しようとたこも事実です。マルクスもドラッガーも理想を持
ち、行動をしたという部分は通じるものがあると思います。社会全体を変えよ
うとしたマルクスと、個々の企業や組織に社会性と人間性あるものにしようと
したドラッガー、その組み合わせに未来を見出すという視点は、新しくもあり
ますが、ありうることではないでしょうか。」
日時:2017年9月2日(土)午後2時~4時
場所:希望のまち東京in東部事務所
住所:江東区東陽3丁目21番5号松葉ビル202号室(永代通り沿い、セブンイレ
ブン隣、1階がお寿司屋さんの建物の2階です)
最寄駅:東京メトロ東西線木場駅徒歩4分、東陽町駅徒歩6分、東陽三丁目バス
停留所徒歩1分
参加費:300円
読書会は本を紹介しながら話し合うスタイルです。発表者がレジュメを配布し
て説明し、それを受けて参加者が自由に議論する方式です。書籍の用意や事前
の通読は必須ではありません。どなたでもご参加できます。初めての方の御参
加も大歓迎です。時間がある方は参加よろしくお願いします。
http://www.hayariki.net/tobu/

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