【共同声明】国会決議違反のTPP「大筋合意」に強く抗議する
【共同声明】国会決議違反のTPP「大筋合意」に強く抗議する
共同声明
国会決議違反のTPP「大筋合意」に強く抗議する
2015年10月7日
醍醐 聰(TPP参加交渉からの即時脱退を求める大学教員の会よびかけ人)
中野和子(TPPに反対する弁護士ネットワーク事務局長)
山根香織(主婦連合会参与)
STOP TPP!!市民アクション 有志
9月30日からアメリカのアトランタで開始されたTPP閣僚会合は、
3度も延長されるという異例の事態の中、10月5日昼前(日本時間
10月5日深夜)、「大筋合意」を発表して閉幕した。
安倍首相はこれを歓迎し、「日本のみならず、アジア太平洋の未来にとって
大きな成果」と自画自賛しているが、とんでもない。
安倍内閣は、交渉参加以来2年余、国会決議が求める情報開示も、
「保秘契約」を盾に拒否して秘密交渉を続けてきた。また、「大筋合意」
で到達した内容は、国会決議が「除外又は再協議」とした米など主要農産品で、
TPP輸入枠を設定して輸入増を受け入れるだけでなく、関税の大幅削減や
一部関税撤廃を受け入れ、豚肉・牛肉ではセーフガード廃止の仕組みにさえ
合意している。「関税撤廃に例外を勝ちとった」として、国会決議を守った
かのように語ることは、とうてい認められない。
農産品以外でも政府に都合のよい説明はあるが、これまで多くの懸念が表明
されてきたISDs条項、自治体を含む政府調達の規定、国営企業の扱い等について、
充分な説明が行われていない。
私たちは、今回の「大筋合意」は、明らかに国会決議に反するだけでなく、国民
への説明責任も果たしていないもので、とうてい認める訳にはいかない。
「大筋合意」は、TPP交渉の終了を意味しない。TPA法に規定されるアメリカを
含め、参加各国の国民、議会がこれを受け入れるかどうかにかかっている。政府は、
国民と国会に速やかに「合意」の詳細を明らかにし、国民的な議論を保障すべきで
あり、国会も、主体的な立場で「大筋合意」を検証し、受け入れを拒むべきである。
以上
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