月1原発映画祭/交流カフェについて

☆月1原発映画祭/交流カフェについて☆

「月1原発映画祭」では、原発に関連した映画・映像を上映し、併せて交流会を開催、監督や制作者などのゲストを迎えてお話を聞いたり、意見交換・情報交換をしたり、日ごろの思いや疑問を語り合ったりする交流の場を提供しています。原発に関することを知りたい、考えたい、話したいという方、いろいろな考えの方が気軽に参加できる会をめざしています。

会場はおもにコミュニティスペース「谷中の家」(台東区谷中3-17-11)ですが、コロナ禍をきっかけにオンラインとのハイブリッド開催も行っています。現在は3ヵ月に1回ほどの開催ですが、スタートした頃の「月1」の名まえは変えずに残しています。

この会を始めるきっかけとなったのは、「原発都民投票」の実現をめざした活動(2011~2012年)でした。東京電力福島第1原発事故のあと、自分たちが使う電気を原発に頼るのかどうか、ひとりひとりが考えて意思表明できる場をつくりたいと願う人たちが輪を広げ、都内各所の自分の住んでいる地域での法定署名活動をおこないました。原発都民投票条例案を都議会にかけるために最低22万筆あまりの署名が必要でしたが、2か月で32万を超える都民の署名が集まり、2012年6月の都議会で審議されました。結果は否決、原発都民投票は実現されませんでしたが、この活動を通じてできた地域でのつながりを生かし、引きつづき情報交換をしていこうということから「地域から未来をつくる・ひがし広場(略称・ひがし広場)」のネットワークができ、原発について継続して語り合っていく場として、2012年5月に「月1原発映画祭/交流カフェ」が生まれました。現在、有志10名あまりでつくる「月1原発映画の会」で運営しています。

月1原発映画祭

2014年8月2日(土) 第28回月1原発映画祭/交流カフェ インドの原発をめぐって 「ハイ・パワー:大いなる力」上映+インドゥルカー監督トーク動画

2014年8月2日(土)第28回月1原発映画祭/交流カフェではインドゥルカー監督をゲストにお招きし「ハイ・パワー:大いなる力」を上映しました。インドゥルカー監督トークの動画を公開しました。

2014年10月4日(土) 第30回月1原発映画祭「元原発技術者と一緒に原発PR映画を観る」

10/4(土)、第30回月1原発映画祭を開催いたします。
「元原発技術者と一緒に原発PR映画を観る」と題して、
ゲストに福島第1原発の元技術者、小倉志郎さんをお願いしています。
ご期待ください!


第30回月1原発映画祭/交流カフェ
「元原発技術者と一緒に原発PR映画を観る」

ゲスト=小倉志郎さん(元原発技術者)

ちらし
第30回月1原発映画祭/交流カフェ bacebookページ

福島第1原発の技術者として35年間(1967~2002)働いた
小倉志郎さんを迎え、一緒に原発PR映画を観ながらお話をうかがいます。

映画は福島第1原発の建設が始まった1967年と営業運転を開始した1971年に
製作されたもの。まさに小倉さんが仕事を始められた時期と重なります。
当時のようすとご自身の体験からどんな話が飛び出すか・・・?

かつて、そして今なお続く原発推進プロパガンダの嵐の中で、
小倉さんの願いは、一人ひとりが原発の本質的危険性を理解し、
それを自分の言葉で人に伝える力をつけること。
今回はそのための実力養成講座でもあります。
ご参加お待ちしています!

■日時:10月4日(土)18:00~(開場17:30)

【第1部】18:00~19:30 小倉志郎さんによるトークと上映
【第2部】19:45~21:00 小倉志郎さんを囲んで交流カフェ

■小倉志郎さんのプロフィール

1941 年、東京生まれ。慶応義塾大学工学部機械工学科卒、
同大学院修士課程機械工学専攻修了。日本原子力事業(株)(のちに東芝に
吸収合併)に入社。原子力発電所の見積・設計・建設・試運転・定期検査・
運転サービス・電力会社社員教育などに携わる。2002 年、定年退職。
2007 年に季刊誌「リプレーザ」Vol.3夏号に、筆名山田太郎で「原発を並べて
自衛戦争はできない」を投稿。東電福島第1原発事故以降、原発の基本的な
構造や本質的危険性についての講演会などを精力的に行っている。
2012年、国会事故調の協力調査員として東電福島第一原発の事故の調査と
報告書作成に携わる。
「原子力市民委員会」メンバー。
「軍隊を捨てた国コスタリカに学び平和をつくる会」世話人。
著書に『元原発技術者が伝えたいほんとうの怖さ』(彩流社、2014年)、
紙芝居『ちいさなせかいのおはなし』(放射能の危険性を子どもたちに
伝えるために制作、2011 年3 月5 日初演)

■上映作品

「黎明 福島原子力発電所建設記録 調査篇」1967年
 発電所建設が認可されてから建設までの2年半における調査の記録。建設予定
 地の地質や地層、隣接する海などの調査の模様が記録されている。

「黎明 第二部 建設編」1971年
 安全に対する配慮や地元との協力体制、そして原子炉内部や原子炉立屋の建設
 を記録、さらに燃料の装填から稼動に至るまでを解説する。

 (製作/日映科学映画製作所 「科学映像館」のサイトにて無料で配信されて
います。http://www.kagakueizo.org/

■参加費/定員

【第1部】参加費500円/定員:30名
【第2部】参加費500円(軽食+ワンドリンク付)/定員:20名※
    ※第1部に参加の方を優先します。

■予約方法:以下いずれかの方法で予約してください。

1.申込みフォーム
【第1部】満員御礼
【第2部】満員御礼

2.メール eigasai★jtgt.info ←★を@に置き換えてください。
アドレスが変わりました。ご注意ください
*件名を「月1原発映画祭申込み」として
参加者氏名(複数お申し込みの場合は全員のお名前をお書きください)、
参加内容(第1部、第2部)を明記してください。

3.電話 090-1265-0097(植松)

*キャンセルされる場合は必ず事前にご連絡ください。

■会場:谷中の家(東京都台東区谷中3-17-11)

メトロ千代田線千駄木・JR日暮里・JR西日暮里下車徒歩7分。
よみせ通り、延命地蔵を東へ入る、2筋目を南へ入って東側。
築54年の木造耐震補強民家。目印は格子戸。

■ 主催:地域から未来をつくる・ひがし広場

http://www.jtgt.info/


☆11月の第31回月1原発映画祭は11/1(土)、
「祝の島(ほうりのしま)」を上映します。
ゲストに纐纈(はなぶさ)あや監督と、
ジャーナリストの山秋真(しん)さんのおふたりを迎えます。
お楽しみに!

2014年7月5日(土) 第27回月1原発映画祭/交流カフェ イアン・トーマス・アッシュ監督トーク

2014年7月5日(土)に開催した、第27回月1原発映画際/交流カフェで映画「A2-B-C」を上映しました。この時ゲストとしていらっしゃいました、イアン・トーマス・アッシュ監督のトーク動画を公開しました。

YouTubeへのリンク

トークには映画「フタバから遠く離れて」の舩橋淳監督も参加されています。

2014年8月2日(土) 第28回月1原発映画祭が終了しました

8月2日に第28回月1原発映画祭が終了しました。
ご参加いただいたみなさま、ありがとうございました。

今回の映画「ハイ・パワー」は、インドでもっとも古い原発、
タラプール原発の地元住民の声を集め、その深刻な影響を伝えて
問題を投げかけたもの。

今回は上映後の監督のお話に1時間、続く交流カフェに1時間と、
たっぷり時間をとっていたのですが、
一つ一つの質問にインドゥルカー監督はとても丁寧に答えてくださり、
知られざるインドの原発事情に驚きの声やため息もしばしば、
あっというまに時間が過ぎていきました。

監督はもともとは原発建設の最先端にいた科学技官でしたが、
現場での体験と自らの体調不良によって、反原発の立場に転じました。
そして、現在建設中の世界最大規模のジャイタプール原発を止める
一手段として、映画を通じて国内外に訴えようと思ったとのことです。

映画では原発の地元住民の声がストレートに炸裂、
その怒りと嘆きの深さに圧倒されます。
しかし、このメッセージが他の原発建設予定地や都市部に
どこまで届けられるのかというと、なかなか難しいようです。
インドでの原発推進の状況は日本とよく似ている点も多いのですが、
言論統制や活動の封じ込めははるかに露骨なようです。

焦点はやはり、日印原子力協定のゆくえで、
これが締結されれば、インドで原発建設に拍車がかかるのは必至。
この映画上映ツアーをきっかけに関心が広がることを願います。
(来日するモディ首相と安倍首相との会談は9月1日)

東京ではこのあと8月17日に官邸前テントでの上映が決まっています。
上映権付きDVD(2000円)も販売されていますので、
ミニ上映会などもいかがでしょうか?
詳細はBAD SeaweedのHP
http://badseaweed.wordpress.com/2014_highpower_japan/
をご覧ください。
各地の上映会のレポートも載りはじめています。

さて次回の月1原発映画祭ですが、
このところビッグなゲストが続いたので、
9月はリフレッシュのためスタッフ勉強会とさせていただきます。
10月以降の予定は決まり次第お知らせいたします。

2014年8月2日(土) 第28回月1原発映画祭/交流カフェ インドの原発をめぐって 「ハイ・パワー:大いなる力」上映+インドゥルカー監督トーク

原発の輸入促進をはかるインドと原発を輸出する気満々の安倍首相。
この夏、インドの新首相訪日の可能性も報じられています。
日印原子力協定締結に向けた動きが強まっている中、
「世界一危ない」ともいわれるインドのタラプール原発(1964年建設)と
周辺に暮らす人々を短編映画「ハイ・パワー」にまとめた
プラディープ・インドゥルカー監督が来日します。
上映&来日ツアーをコーディネイトしている萩谷海さんから声がかかり、
8月の月1映画祭にお呼びすることになりました。
この機会にぜひ、映画をみて直接インドの原発事情をきき、語り合いましょう。


第28回月1原発映画祭/交流カフェ
インドの原発をめぐって
「ハイ・パワー:大いなる力」上映+インドゥルカー監督トーク


日時:8月2日(土)17:00~(開場16:30)

第28回月1原発映画祭チラシ

■映画「ハイパワー:大いなる力」あらすじ

1964年建設のタラプール原子力発電所は、インドで最も古い原発。
当時は熱狂的に迎えられ、地元の人々はその発電所を「ハイ・パワー」
(大いなる力)と呼ぶ。しかし、40年の長きにわたって原発周辺の住民たちは
貧困や病に苦しみ、怒りの声を上げていた。
インドが国策として進めてきた原子力発電所とは何だったのか? 
都市に住む人間として葛藤する主人公の目を通して、
タラプールに起こった出来事を描き出す。
(2013年/インド/27分)
http://badseaweed.wordpress.com/2014_highpower_japan/

【予告編】

■監督に ついて

機械工学の専門家、科学技官として、1980年代より
BARCバーバ原子力研究センターに12年間勤務。
1994年、自身の体調悪化を感じて同センターを退所後、
環境教育者としての活動を開始。
2009年、ジャイタプール原子力発電所に関わる運動に加わり、
反原発の立場から2年かけて「ハイ・パワー:大いなる力」を完成させた。

■プログラムと参加費

【上映+トーク】
17:00~17:30 「ハイ・パワー:大いなる力」上映
17:30~18:30 プラディープ・インドゥルカー監督トーク
・定員:30名
・参加費1000円

【交流カフェ】 
18:45~20:00 
・定員:20名(上映+トーク参加の方を優先します)
・参加費:500円(軽食+ワンドリンク付)

■予約方法:以下いずれかの方法で予約してください。

1.申込みフォーム
上映+トーク
交流カフェ

満員御礼: 上映+トーク、交流カフェともに満席となりました。

2.メール tukiichieigasai★jtgt.info ←★を@に置き換えてください
*件名を「月1原発映画祭申込み」として
参加者氏名(複数お申し込みの場合は全員のお名前をお書きください)、
参加内容(上映+トーク、交流カフェ)を明記してください。

3.電話 090-1265-0097(植松)

*キャンセルされる場合は必ず事前にご連絡ください。

■会場:谷中の家(東京都台東区谷中3-17-11)

メトロ千代田線千駄木・JR日暮里・JR西日暮里下車徒歩7分。
よみせ通り、 延命地蔵を東へ入る、2筋目を南へ入って東側。
築54年の木造耐震補強民家。目印は格子戸。

2014年7月5日(土) 第27回月1原発映画祭/交流カフェ「A2-B-C」上映+ゲスト:イアン・トーマス・アッシュ監督開催報告

7/5、第27回月1原発映画祭が終了しました。
前日の東京新聞夕刊に上映作品の「A2-B-C」と
監督インタビュー記事が大きく載ったので、対応に大わらわ、
満席でお断りした方には申し訳なかったです。
7/26にレイバー映画祭で上映されますので、
未見の方、ぜひお出かけください。
http://www.labornetjp.org/news/2014/0726eiga

この映画、ほんとうは日本中のお茶の間でみて、共有したい内容です。
甲状腺検査で見つかったのう胞などが
原発事故と関係あるのかないのか、
それがきちんと証明されるのは先のことかもしれませんが、
現に診断された子どもたち、その親たちは不安を抱えたまま
毎日を暮らしている、将来の心配をしている。
これは誰が何と言おうと今の福島(日本)のひとコマなのだということが
ずしりと伝わってきます。
イアン・トーマス・アッシュ監督は
「原発事故との因果関係がわかってからでは遅い。
あとになって、もっと子どもたちを守ればよかったと後悔するより、
あの時は心配しすぎたねと言うほうがいいじゃないですか」
と話されていました。
イアン監督はご自分の感情をまっすぐに語りながらも
言葉や物腰がとても奥ゆかしく、
映画の中で子どもたちやお母さんたちが心をひらいていたのが納得です。

2014年6月7日(土) 第26回月1原発映画祭/交流カフェの松村直登・藍原寛子対談動画

2014年6月7日(土)に開催した、第26回月1原発映画祭/交流カフェの松村直登・藍原寛子対談の動画を公開しました。

YouTubeへのリンク

こちらの動画は、今回のゲストの松村直登さんを主人公として描かれた「原発20キロ圏内に生きる男」の上映を行った後に行われた、松村直登さんと藍原寛子さんの対談の様子です。

※松村さんの名前を「村松さん」と何度か言いまちがえました。
ごめんなさい!!(藍原寛子)

2014年4月5日(土) 第24回月1原発映画祭+交流カフェの報告

第24回月1原発映画祭では、騎西高校に避難した双葉町民のドキュメンタリー映画「原発の町を追われて 避難民・双葉町の記録」を上映するとともに、同映画監督の堀切さとみさんをお招きしてお話をお伺いしました。

堀切さんが夜の部だけでなく昼の部にもお越しくださったので、昼のほうでもも上映後トークと質問タイムをお願いすることができました。
旧騎西高校避難所の最初の1年を記録した正編、県内避難の町民と騎西高校避難の町民の分断・対立があらわになっていく続編を観て、さらに堀切さんのお話をうかがうと、年を追って問題が深刻に複雑になっていくことがよくわかります。
堀切さんは、さいたま市で学校給食調理の仕事をされながら、避難所に通いつづけてこの映画を制作されました。
一市民の目で取材・撮影し、率直な言葉で語る堀切さんの姿勢に共感した方が多かったようでした。

堀切さとみさんのお話

みなさま、こんばんは。本日はお集まりいただきありがとうございます。堀切さとみと申します。埼玉県さいたま市からまいりました。わたしは給食の調理士として小学校で働いています。
震災があり、原発事故から一週間くらいたった2011年3月下旬に、南相馬、大熊、双葉、富岡、浪江といった福島県浜通りからたくさんの人びとがさいたまスーパーアリーナに避難してきました。放射能のことを考えると、自分自身このまま埼玉にいていいのかという不安がありました。そこへ浜通りのかたがたが避難なされてきたので、彼らと出会って話を聞きたい、この大変さを共有したいという強い思いがこみあげてきました。炊き出しのボランティア以上に自分になにができるかと考えてみると、とにかくもっと人々の話を聞きたいと思ったこと、そして、以前からドキュメントリー映画が好きで、2008年に市民メディアセンターというところで映像を学んでいましたので、記録として残すことはできないだろうかと思いました。これが「原発の町を追われて 避難民・双葉町の記録」を撮影することになったきっかけです。

本編には双葉町の人びとが騎西高校で生活する様子が記録されています。騎西高校の避難所が閉鎖されるまでの2年9か月、みなさん教室にたたみを敷いて和室をつくり、その部屋を段ボール等で区分けして複数の世帯が共同で生活していました。騎西高校はあくまでも一時避難所としての機能です。プライバシーがありません。お風呂も学校内にないので、銭湯にかよいます。食事は朝昼晩の3食ともお弁当が配られました。ふつうのコンビニで売られているようなお弁当です。学校設備として給食調理室がありましたが、埼玉県が避難している人に対して校内での火器使用の許可を最後までださなかったため、自分たちで調理をして食事をとるということができませんでした。お弁当ではカロリーが高すぎたり、栄養がかたよってしまうと考える人、逆に、高校に長居するつもりはないからお弁当でよいという人や、食事を自分たちでつくることになれば、当番を決めたりするのにもめるだろうと考える人もいて、それぞれの受け止め方がありましたが、やはり食事をつくることができないというのが一番苦しいと訴えていました。

騎西高校には毎日たくさんのボランティアの方々、慰問の方々がおとずれて、イベントが開かれ、食べ物が配られていました。ご高齢のみなさんは双葉町にいたころ、農作業をしたり、手仕事をしたりして、毎日暮らしにちからがあったといいます。しかし騎西高校に避難していると、毎日何もすることがなく、張り合いのない長い一日となっているとおっしゃっていました。朝起きて、お弁当を取りに行き、食事をして、洗濯物をとりにいったらそのあと何もすることがないという暮らしです。「ここには自分の暮らしはない」とおっしゃられている方もいました。こんななか、校舎の一室で書道教室をひらいた書家の方もいらっしゃいます。老若男女がこの小さな学び舎につどいました。近くの借り上げ住宅に移られたご高齢のかたがたは、車で迎えにきてもらわないと騎西高校のサロン(談話室を兼ねたカフェ)に出かけていくことができない状態です。

若い方々、働き盛りの方々は毎日埼玉で仕事を探しておられました。わたしは埼玉県民ですが、埼玉で仕事を見つけるのは、わたしたちでも難しいのです。仕事がなければ生活はどうする?お金はどうする?というふうになり、埼玉ではなかなか仕事が見つからないので、福島県にもどり、隣接したいわき市に居住して、そこから原発内の工事や除染の仕事をするという人々が多くなっていました。原発のために忠実に何十年も働いてきたのは地元の人間です。事故が起こって遠くの知らない土地へ避難しても、仕事を探して福島に帰り、戻っても仕事がないので、再び原発関連の仕事をするしかないというのが今の現実です。これまで原発で働いて、さんざん被ばくしてきているのだから、今さらそれほど考えなくてもよいという人がいます。以前、被ばくというのは原発内の仕事でごく限られたところでだけおこったことでした。事故後の福島では一般の住民を巻き込んだ生活領域全般で被ばくが起こっています。この点が事故後大きく違ってきているところです。福島に帰り、とりあえず原発の仕事がある。とりあえずはなんとかなる、しかし、これで終わってしまいます。原発とともに生きてきた双葉町民はこれだけの事故があってもなお、原発とは切っても切れない関係であるということころがとてもせつなくひびいてきます。

また、外部からは「精神的慰謝料」として東電から月々お金をもらっているのだから、別に働かなくてもいいじゃないかという意見もでています。しかしこれも単にお金があれば働かなくてもいいという問題ではありません。仕事やいきがい、つまり人間が生きいていくうえでの原動力となる部分がとりあげられている状態です。これまでなんらかの仕事をしてきた人々にとっては、精神的にかなりきつい状況であると思います。

双葉町にかぎらず、原発のある町の人びとは、原発が事故をおこしたとしてもなかなか原発に反対することができないのではないか、反対しにくいのではないかと思います。
福島原発の事故後、加須市に双葉町民のみなさんがいらしたとき、とても遠慮がちにくらしておいででした。加須が自分たちの地元ではないということでそうであったのかもしれませんが、ひかえめに、お世話になりますという感じでした。
たとえば双葉町にいたときには町民が東電からいろんな名目で手当をもらっていたという事実があります。福島のなかで原発についてなにも恩恵をうけてこなかった自治体も放射能汚染地帯となったため、双葉町民にはなおさら「自分たちは長年東電からお金をもらってきて、恩恵もあったのだから、このような事故にあってもなにもいえないのではないか。自業自得ではないのか。なにも言ってはいけないのではないか。」という引け目やジレンマがあるように感じました。わたし自身は彼らの姿を見て、復興のためになんとか声をあげてほしいと思っています。映画を撮ることにより、人々の感情の変化を感じました。

事故後3年がたち、風化が進んでいます。しかし、震災・原発事故の大変さは3年たってからというそうです。実際、仮設住宅でも自殺する人や孤独死が増えています。原発がもたらすものはなんなのかということです。本日は上映していただき、たくさんのかたがたにご覧いただけたことに感謝いたします。ありがとうございました。

2014年7月5日(土) 第27回月1原発映画祭/交流カフェ 福島で生きる子どもたちに、今何が起きているのか? 「A2-B-C」上映+ゲスト:イアン・トーマス・アッシュ監督

映画「A2-B-C」予告編

7月5日(土)に第27回月1原発映画祭を開催します。
今回は、日本在住のアメリカ人監督イアン・トーマス・アッシュさんによる
ドキュメンタリー映画「A2-B-C」を上映し、監督のお話をききます。
「A2」「B」「C」とは、福島県内で原発事故当時
18歳以下だった子どもを対象とした甲状腺検査における、
嚢胞(のうほう)や結節(しこり)の大きさによる判定レベルです。
異常なしだとA1、20mm以下の嚢胞や5mm以下の結節があるとA2判定、
それを超える大きなものが見つかるとB判定、C判定となります。
昨年8月までに検査を受けた約24万人中、A2判定を受けたのは実に約10万人。
http://www.pref.fukushima.jp/imu/kenkoukanri/251112siryou2.pdf
(福島県HP掲載の資料)
この結果に対する専門家の意見はいろいろ分かれるようですが、
少なくともこの判定を受けた子どもや親の「不安な気持ち」は紛れもない事実。
カメラはそこを映し出します。
まず現実を知ろう、感じようではありませんか!?
どうぞお誘い合わせのうえ、ぜひご参加ください。お待ちしています。


第27回月1原発映画祭/交流カフェ

福島で生きる子どもたちに、今何が起きているのか?

「A2-B-C」上映+ゲスト:イアン・トーマス・アッシュ監督


チラシ
facebookイベントページ

映画「A2-B-C」
日本在住のアメリカ人監督イアン・トーマス・アッシュが、
原発事故後の福島で暮らす子どもたちを取り巻く現実に
カメラを向けたドキュメンタリー。
原発事故発生11日後から現地に入り、取材を続けるなかで、
アッシュ監督は子どもたちに異変が起きていることを知る。
甲状腺に小さなしこりなどがある「A2」判定を受けた子どもたち自身の言葉、
その親たちの話、校庭や公園、通学路の汚染除去の日常の実態など、
テレビでは報道されない福島の厳しい現実と、
福島に住む人々の切実な訴えを、カメラは静かに映し出す。
果たして、子どもたちの未来は安全なのか? 
それでも私たちは、何も起こっていないと見過ごすことができるのか?
(2013年/日本/71分/日本語&英語)
公式ホームページ http://www.a2-b-c.com/

※【A2】【B】【C】とは、甲状腺に発生した嚢胞(のうほう)や
結節(しこり)の大きさによる判定レベルを表しています。

■ 開催日:7月5日(土)

(要予約)

■ 【1回目上映】

15:30 開場
16:00〜17:15 「A2-B-C」上映
定員:30名
参加費:1000円

■ 【2回目上映】(上映後、監督トークあり)

17:30 開場
18:00〜19:15 「A2-B-C」上映
19:15〜19:35 イアン・トーマス・アッシュ監督のお話
定員:30名
参加費:1000円

イアン・トーマス・アッシュ監督のトーク動画を撮影し、後日YouTubeで公開する予定です。

■ 【交流カフェ】(イアン監督を囲んで)

19:50〜21:00
定員:20名
参加費:500円(軽食+ワンドリンク付)

■ 予約方法:以下いずれかの方法で予約してください。

1.申込みフォーム
1回目上映 (満員御礼)
2回目上映 (満員御礼)
交流カフェ (満員御礼)

2.メール tukiichieigasai☆jtgt.info ←☆を@に置き換えてください
 (件名を「月1原発映画祭申込み」として
参加者氏名、1回目上映/2回目上映/交流カフェの別を明記してください)

3.電話 090-1265-0097(植松)

*キャンセルされる場合は必ず事前にご連絡ください。

■ 会場:谷中の家(東京都台東区谷中3-17-11)

メトロ千代田線千駄木・JR日暮里・JR西日暮里下車徒歩7分。
よみせ通り、 延命地蔵を東へ入る、2筋目を南へ入って東側。
築54年の木造耐震補強民家。目印は格子戸。

2014年6月7日(土) 第26回月1原発映画祭+交流カフェ

第26回月1原発映画祭+交流カフェ

「原発20キロ圏内に生きる男」他上映

  +松村直登・藍原寛子対談

福島第1原発の事故で立ち入り禁止の警戒区域となった富岡町に留まり、
とり残された動物たちの世話をして暮らしている松村直登さんは
「ここに留まることが自分なりの闘いと考えている」といいます。
原発震災から3年間の暮らしの様子と思いのたけを
福島で取材活動を続けているジャーナリストの藍原寛子さんとの対談形式で
語っていただきます。

日時:6月7日(土)

【第1部 上映と対談】18:00〜19:30(17:30開場)

18:00〜上映
「原発20キロ圏内に生きる男」
https://www.youtube.com/watch?v=llM9MIM_9U4
「原発20キロ圏内に生きる男 続編」
https://www.youtube.com/watch?v=NIhUP1RqaNUなど予定。
18:45〜対談:松村直登さん・藍原寛子さん
□参加費:500円
□定員:30名(要予約)

【第2部 交流カフェ】19:45〜21:00

松村さん、藍原さんを囲んで語り合いましょう。
いつものように美味しいものをご用意します。
□参加費500円(軽食+1ドリンク付き)
□定員20名(要予約)

■会場:谷中の家(東京都台東区谷中3-17-11)

メトロ千代田線千駄木・JR日暮里・JR西日暮里下車徒歩7分。
よみせ通り、 延命地蔵を東へ入る、2筋目を南へ入って東側。
築54年の木造耐震補強民家。目印は格子戸。

■予約方法:以下いずれかの方法で予約してください。

1.申込みフォーム
第1部(上映と対談)
第2部(交流カフェ)
注:第1部, 第2部と続けてご参加の方は、上記の両方のフォームをお申し込みください。

2.メール tukiichieigasai☆jtgt.info ←☆を@に置き換えてください
 (件名を「月1原発映画祭申込み」として
参加者氏名、昼・夜の別、交流カフェ参加の有無を明記してください)

3.電話 090-1265-0097(植松)

*キャンセルされる場合は必ず事前にご連絡ください。
どうぞよろしくお願いいたします。

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