18年版「ブラック企業大賞」
18年版「ブラック企業大賞」発表 大賞は三菱電機 長時間労働が常態化、過労自殺が2件発生
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ITmedia ビジネスオンライン / 2018年12月23日 16時3分
ブラック企業大賞企画委員会は12月23日、“今年1番のブラック企業”を決める「ブラック企業大賞2018」の受賞企業を発表した。労働環境の悪さなどが問題となった企業を毎年選出し、皮肉を込めて賞を送るというコンセプトの企画で、大賞は三菱電機が受賞した。
「特別賞」は日立製作所と日立プラントサービス、一般投票で決まる「市民投票賞」は財務省、新設された「有給ちゃんと取らせま賞」は、自動販売機運営会社のジャパンビバレッジ東京が受賞した。
●過労自殺が2度発生
「大賞」を受賞した三菱電機は2018年秋、14~17年にかけて、男性社員5人が長時間労働に起因する精神障害や脳疾患を発症し、相次いで労災認定されていたことが発覚した。このうち3人には裁量労働制が適用されており、その中の2人は過労自殺を遂げていた。
自殺した男性の1人は技術職についており、システムの不具合を修正するため月100時間を超える残業を数カ月繰り返していた。
ブラック企業大賞企画委員会の担当者は「このペースでの労災認定は異常だ」「三菱電機が人権侵害的な労働を課していたことは社会的に決して許されない。確かに日本を代表する大企業だが、労働環境の悪さにおいても同じことがいえる」などと講評した。
●「特別賞」は日立製作所・日立プラントサービス
「特別賞」を受賞した2社では18年、13年に日立製作所に新卒入社し、のちに日立プラントサービスに出向した20代社員が精神疾患を患っていたことが発覚。同社員は富山県の工事現場で設計・施工管理監督を行っていた際、月に100~160時間もの時間外労働を余儀なくされた。また、上司から「いらない」「目障りだから帰れ」「仕事辞めてしまえ」などの暴言も吐かれていた。
また、山口県の笠戸事業所で、数百人のフィリピン人技能実習生を不正に働かせていたことも発覚。本来は配電盤や制御盤などの電気機器組み立てを任せるはずが、実際は窓・排水パイプ・カーペット・トイレなどを鉄道車両に取り付ける作業をさせていた。在留資格の更新ができないことを理由に、すでに99人の技能実習生が解雇されていることも発覚した。
●「市民投票賞」は財務省
「市民投票賞」を受賞した財務省では18年4月、福田淳一事務次官(当時)がテレビ朝日の女性記者に対し、取材中に「抱きしめていい?」などのセクハラ発言を行っていたと報じられた。その後、同省の顧問弁護士もセクハラがあったと断定した。ただ、福田氏は事務次官を辞任したものの、セクハラを否定。麻生太郎財務大臣も「セクハラという罪はない」「男を番記者にすればいい」などと発言し、事態を軽視していることをうかがわせた。
●「有給ちゃんと取らせま賞」はジャパンビバレッジ東京
「有給ちゃんと取らせま賞」を受賞したジャパンビバレッジ東京では今夏、ある支店の支店長がクイズを出し、正解者のみに有給休暇の取得を認める“有給チャンス”と呼ばれるパワハラを行っていたことがネット上で話題になった。「事業場外みなし労働時間制度」を違法適用しており、社員に月間100時間を超える時間外労働を課していたことも発覚した。
ブラック企業大賞の発表会見には、同社の従業員が匿名で登壇。「問題のメールを送った支店長は、部下を蹴るなどの暴行を日常的に行っていた。支店長とは別の管理職も、ミスをした社員に腕立て伏せをさせるなどの罰を与えていた」「結婚・出産といったライフイベントの際も有給休暇を取ることができない」などと告白した。
●ブラック企業大賞のイベントをやらなくていい時代にしたい
18年のノミネート企業は受賞した4社のほか、スルガ銀行、モンテローザ、ジャパンビジネスラボ、ゴンチャロフ製菓、野村不動産を含む9社だった。
ブラック企業大賞企画委員会の担当者は「本当はこのようなイベントをやらなくてもいい社会になってほしいが、やらざるを得ない状況だ。今後もこの取り組みを続け、ブラック企業をなくしていきたい」と話した。
●過去には電通などが受賞
ブラック企業大賞は2012年にスタート。長時間労働、セクハラ・パワハラ、いじめ、低賃金――などの観点から、弁護士やジャーナリストなどで構成される企画委が各賞を選考している。
歴代の大賞は、東京電力(12年)、ワタミフードサービス(現ワタミ、13年)、ヤマダ電機(14年)、セブン-イレブン・ジャパン(15年)、電通(16年)、アリさんマークの引越社(引越社グループ、17年)。
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