紅林進著『民主制の下での社会主義的変革』
紅林進著『民主制の下での社会主義的変革』
四六判 176頁 1600円+税
出版元:ロゴス (東京都文京区本郷2-6-11 TEL03-5840-8525 FAX03-5840-8544) http://logos-ui.org/
本書のねらい
議会制民主義の下で社会主義はどのようにして実現するのか、その社会主義の新しい内実を探りながら、その道筋についても明らかにする。
近年、話題のベーシックインカムやスペインのモンドラゴン協同組合の教訓を解明。選挙制度の民主的改善についても提案。
紅林 進(くればやし・すすむ)
1950年生まれ
法政大学経済学部卒業
社会主義理論学会委員
『民主制の下での社会主義的変革』 目次
まえがき
第Ⅰ部 社会主義への理論的探究
社会主義社会をどのように構想し実現するか
1 未来社会の構想について 12
2 新たな社会主義経済像 13
3 生産手段の社会的所有 14
4 労働者協同組合、労働者自主管理企業、アソシエーション型社会 16
5 分権的、協議的、下からの計画経済 17
6 社会主義における分配原則 18
7 社会主義の下での市場経済 20
8 労働からの解放、労働の解放 22
9 生産力の発展について 23
10 社会主義の下における政治制度 24
11 資本主義から社会主義への移行 26
社会主義的変革の可能性と困難性
1 「ルールある資本主義」ではなく「社会主義」を 28
2 市場と計画──下からの分権的協議経済的計画化 32
3 社会主義的変革の可能性と困難性 37
A 漸進的改革 40
B 社会主義政党の役割 41
C 大企業・大資本の民主的・社会主義的統制 43
D 非営利・協同セクターの形成・拡大 46
ベーシックインカムと資本主義、社会主義
1 ベーシックインカムとは 51
ベーシックインカム論が注目される背景 53
2 ベーシックインカムの意義と限界 54
BIの意義、利点 54
BIの限界 56
3 資本主義にとってのベーシックインカム 57
労働力商品化を脅かす完全BI 57
完全BIが実現すれば、資本主義は自動的に崩壊するか? 58
新自由主義とも親和的な部分的BI 60
労働の人間化や3K仕事などの改善にはプラス 61
4 社会主義とベーシックインカム 63
BIのみでは、搾取や格差自体をなくすことはできない 63
形式的平等と実質的平等 64
労働に応じた分配、必要に応じた分配 65
BIと労働の在り方 68
5 BI要求運動を資本主義変革のためにいかに活用するか 70
生存権保障、社会保障拡充のための運動として 70
労働力商品化廃絶につなげるための闘いとして 72
〈生活カード制〉の意義と懸念
1〈生活カード制〉の意義 78
2〈生活カード制〉の問題点、課題 81
〔再録に当たっての補足〕 89
モンドラゴン協同組合の経験
1 なぜモンドラゴン協同組合か 91
2 モンドラゴンの歴史と実態 94
スペイン内戦とアリスメンディアリエタ神父 94
スペイン最大手の家電メーカー「ファゴール」 97
労働者協同組合でもある「エロスキ生協」 97
労働人民金庫 98
保育園から大学までの教育協同組合 99
3 モンドラゴンをどう評価するか 99
モンドラゴン基本原則 99
左右からの批判 100
4 岐路に立つモンドラゴン 102
我々にとってのモンドラゴンの意味 104
岐路に立つモンドラゴン協同組合企業グループ
──ファゴール家電の倒産に直面して
1 ファゴール家電の倒産の衝撃 106
2 ファゴール家電協同組合の位置 106
3 倒産の協同組合員と非正規労働者への対応の違い 108
4 ファゴール家電の倒産の原因 110
5 モンドラゴンや労働者協同組合を考える意味 111
マルクス主義と民族理論・民族政策
1 「労働者は祖国を持たない」 115
2 マルクス、エンゲルスの「歴史なき民族」論 116
3 カウツキーの民族理論 118
4 民族自決権を否定したローザ・ルクセンブルグ 119
5 民族自決権を支持したレーニン 119
6 ロシア赤軍によるポーランド進攻(一九二〇年) 122
7 ユダヤ人ブントに対するレーニンの批判 123
8 スターリンによる大ロシア主義的政策と「グルジア問題」 125
9 レーニン「最後の闘争」 127
10 トロツキーの「ヨーロッパ合衆国」構想 128
11 オーストロ・マルクス主義の強調した「文化的自治」 129
12 民族・植民地問題をめぐるレーニン・ロイ論争 133
13 「台湾独立」に言及した時期もある毛沢東 135
14 従属論・新従属論 138
結びにかえて 139
第Ⅱ部 民主的選挙制度を求めて
民意を忠実に反映する選挙制度を!
──完全比例代表制と大・中選挙区比例代表併用制
議会制民主主義の基本である民意を忠実に反映する選挙制度 146
民意をゆがめる小選挙区制 147
民意を最も正確に反映する比例代表制 148
地域と個人を重視した小選挙区比例代表併用制 150
衆議院と参議院の望ましい選挙制度 152
上田哲の小選挙区制違憲裁判闘争
小選挙区制違憲訴訟の東京高裁への提訴 156
小選挙区比例代表並立制を「希代の悪法」とする論拠 158
小選挙区制違憲訴訟・東京高裁判決の問題点 160
最高裁判所での闘い 160
小選挙区制の是非の判断を避けた最高裁 162
国民投票法裁判 165
むすび 166
あとがき
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