「東芝」問題特集をたんぽぽ舎メルマガ

たんぽぽ舎です。【TMM:No2989】
2017年1月31日(火)その2 地震と原発事故情報-
「東芝」問題特集号です
転送歓迎
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★1.東芝が海外での原発建設から撤退!
核なき未来がまた一歩近づいた!
福島第一原発事故の影響とその後の反原発運動の全世界的な
発展によって核産業の未来が閉ざされてきたことにある
明日に向けて(1347) 守田敏也 (フリーライター)
★2.東芝不正会計で提訴=株価下落の損害請求-信託各行
時事ドットコムニュース
★3.まさかの「東芝倒産」が現実に?日本の原発政策の愚かさを嘆く
「原発御三家」の日立も三菱重工も原発に力コブ。前のめり
安倍政権は原発プラントの輸出を
武器輸出と並んでアベノミクス成長戦略の柱に
古賀茂明 (経産省の元幹部官僚)
★4.東芝「債務超過」へのカウントダウン~
残された時間はたった1ヵ月
社長会見で露呈した「変わらぬ危うさ」
町田 徹(経済ジャーナリスト)
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【特集】原発で亡(ほろ)びつつある名門企業・東芝
東芝と原発、なぜ会社が傾いたのか?
みなさんの意見・投稿をよせて下さい

柳田 真(たんぽぽ舎)

名門企業の東芝が、原発でほろびつつある。直接的には、米国ウエス
チングハウス(WH)社が原因だが、そもそも原発を有望産業(成長産業)と
いちづけたこと自体に大まちがいがあったと思う。
日本の原発産業ご三家の三菱重工も日立もフランスのアレバ社への投資
や、英国との共同事業で危ない道を歩みつつある。それを成長産業と称し
て後押ししているのが安倍政権である。
名門企業の東芝が、原発でほろびつつある現状について、今後について
読者からのご意見、投稿を募集します。字数は400文字から2000文字程度。
あて先アドレスはたんぽぽ舎のメールアドレスです。
募集期間は2月末までとします。
多くの原稿がよせられることを期待しています。

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┗■1.東芝が海外での原発建設から撤退!
| 核なき未来がまた一歩近づいた!
| 福島第一原発事故の影響とその後の反原発運動の全世界的な
| 発展によって核産業の未来が閉ざされてきたことにある
| 明日に向けて(1347)
└──── 守田敏也 (フリーライター)

◎ 1月27日、東芝が重大な決定を発表しました。海外での原発建設から
撤退するなど、同社の主力に位置づけてきた原発事業の大幅な見直しをす
るというのです。
理由はアメリカにおける原発事業で7000億円とも言われる赤字を出して
経営が極度に悪化してしまったためです。
そもそも東芝は2016年9月末時点で株式資本が3632億円しかなく、資本
増強をしないままに7千億円の赤字が確定すれば債務超過=倒産にすら発
展しかねない状況にあります。
直接的な理由は、東芝の原子力部門の子会社であるアメリカのWH(
ウェスチング・ハウス)社が買収したアメリカ原発建設会社のCB&Iス
トーン・アンド・ウェブスター社が巨額の赤字を持っていたことが判明し
たことによるもの。
なぜか東芝は調査が不十分なままにこの会社をWH社にほぼ対価なしで
買収させてしまい、なんと7000億円とも言われる赤字をそのまま背負って
大苦境に陥ってしまったのです。

◎ この東芝の大崩壊について、マスコミ各社は主にアメリカにおける原
発事業での失敗からばかりから原因分析を行っていますが、僕にはそこか
ら解き明かすのが正しいとは思えません。
最も重要なのは福島第一原発事故の影響とその後の反原発運動の全世界
的な発展によって核産業の未来が閉ざされてきたことにあるからです。
その意味で私たちの努力が原発メーカーを追い詰め、核なき未来をまた一
歩手繰り寄せているのでもあるのです。
このことをより詳しく分析していきたいと思いますが、その時に何より
も踏まえておかなければならないのは、東芝は福島第一原発事故の責任主
体であるということです。
なぜか。福島第一原発1号機はアメリカのGE(ゼネラル・エリクト
リック)社製ですが、2号機はGE+東芝、3号機は東芝純正だったか
らです。ちなみに燃料プールが大危機に陥った4号機は日立製作所製
です。
東芝はアメリカGE社とともに本来、あの事故に対する重大な製造者責
任を負っています。にもかかわらず追及されないのは、原発事業だけ製造
者責任が免責されているというモラル違反が行われているからです。
だから東芝は法的経済的追及を免れているのですが、しかし道義的に
言って、あれほどの事故を起こして許されるはずなどありません。膨大な
放射能をまき散らし、いまなおたくさんの人々を苦しみに追い込んでいる
のが東芝なのだからです。
その意味であの事故は、福島原発事故というよりも、東電・GE・東芝
原発事故と呼んだ方が正確であり、東芝は道義的に責任を謝罪し、被災者
を救済し、過ちを認めて原発事業からの撤退に向かうべきだったのです。
にも関わらず東芝は、福島原発事故後もなんら反省せずに原発建設に突
き進みました。しかも日本での新規建設が難しいと考え、大企業べったり
の安倍政権と二人三脚を組みつつ、海外での原発建設を加速させようとし
たのでした。
しかしこれが路線的に大失敗し、大変な損益を出してしまって、とうと
う撤退に至りつつあるのです。

◎ もう少し詳しく見ていきましょう。
東芝は2000年代に入ってアメリカ・ブッシュ政権が「原子力ルネッサン
ス」を叫びはじめ、当時の日本の小泉政権がこれに呼応して原発の海外輸
出などをはじめて掲げた「原子力政策大綱」を打ち出す中で、原子力部門
の強化に走りました。
目玉となった事業は、アメリカの原発メーカーのWH(ウェスチング・
ハウス)社を買収することでした。
現在、世界で主に使われている商業用原子炉は、沸騰水型(BWR)と加
圧水型(PWR)の2つのタイプに分かれます。もともとGEから技術を
学んだ東芝は沸騰水型原発を手掛けてきましたが、WH社は加圧水型原
発を作ってきたメーカーでした。
東芝は2006年にやはり加圧水型原発のメーカーである三菱重工と壮絶な
買収合戦を繰り広げた後、なんと当時の市場価格の倍以上とも言われた値
段(5000~6000億円)でWH社を買収し、原子力産業の世界のリーディング
カンパニーに躍り出ようとしたのです。
しかし直後の2008年にリーマンショックが起こり、もうそれだけで東芝
には大きな経営的歪が出てしまいました。
まるで博打を打つような強引な買収を行ったため、リーマンショックを
受けて、資金繰りが一気に悪化してしまったからですが、なんと東芝は事
実を公表せず、粉飾決算を行うことで経営悪化を隠したのでした。

◎ 東芝に買収されたWH社はアメリカで2008年にジョージア州ボーグル
原発3,4号機、サウスカロライナ州VCサマー原発2,3号機と、続け
て4基の原発の受注に成功。2009年にはフロリダ州のレヴィ原発1,2号
機も受注しました。
東芝本体も2008年にテキサス州でサウス・テキサス・プロジェクトで
1,2号機の受注に成功。こちらはWH社製と違って東芝が手かげて来た
沸騰水型原発の改良型(ABWR)での受注でした。
東芝は粉飾決算を隠したまま、WH社製と東芝純正の新たな原発を
次々と作りだすことで収益をあげ、経営悪化を乗り越えて大きく利益を出
そうとしていたのでした。
東芝のこの思惑を大きくとん挫させたものこそ、福島原発事故とその後
の民衆運動でした。
事故を起こした原子炉に東芝が関わっていたことから、計画が一気に冷
えてしまうとともに、日本国内を始め、全世界で脱原発の機運が高まるこ
とにおされて、アメリカ原子力規制庁が原発に対する規制を大幅に引き上
げたためでした。
このため建設コストも大幅に拡大してしまい、受注当時の計画の
ほとんどがほころび出し、WH社も東芝本体も、崩壊の道をひた走りだ
したのです。
粉飾決算からの脱却の道を閉ざされてしまった東芝は、社内で「チャ
レンジ」と呼んだ、あまりに無茶な営業目標の達成を社員に強い、社員を
疲弊させながらますます粉飾決算体質を強めていきました。
やがてこの粉飾決算が社内からのリークなどで明るみに出るや、苦境か
らの脱却のために有料部門だった医用機器部門を売却し、無謀にも半導体
とともに原子力事業にさらに全社の力を傾注し始めました。
ところがすぐさまアメリカで焦げ付きを大幅に増やしてしまい、とうとう
超過債務の危機の前にすら立ってしまったのです。

◎ まさにいま、私たちの眼前で起こっているのは、原子力村-核産業の
崩壊過程です。
繰り返しますが、これは一つにはあの巨大事故の責任主体であるがゆえ
に東芝が背負った宿命であり、二つには福島第一原発事故で覚醒した日本
の民衆、そして世界の民衆による脱原発運動-核なき未来の希求の力がも
たらしつつあるものに他なりません。
この点をしっかりと踏まえて、反原発・反核運動を強めていきま
しょう。
そのためにも東芝の崩壊劇の分析をもう少し続けていきましょう。
続く

◎ なお東芝の崩壊過程について、僕はこれまでも記事を書いて
きました。以下に紹介しておきます。
とくに「明日に向けて(1199)」では東芝が日本経済、ないし日本社会で
占めてきた位置についても分析しています。ご一読下さい。
>
明日に向けて(1117)東芝不正会計問題の背景にあるのは
原子力産業の瓦解だ!‐1 2015年8月2日
http://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/e/6aa800a3bbf14bc67022035818f98209
明日に向けて(1140)沈みゆく原子力産業-
東芝上場廃止か?(東芝不正会計問題を問う―2)2015年9月2日
http://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/e/1f5f8b5a15ca9d5c209ffd515e1a3b7f
明日に向けて(1198)東芝が5500億円の赤字―
原発再稼働強行は瀕死の原発メーカーを守るため 2015年12月25日
http://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/e/131394e574277a2a46dfaccdd6c447cf
明日に向けて(1199)原発メーカー救済のための危険な原発再稼働と
原発輸出を許してはならない! 2015年12月26日
http://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/e/9027c899f631026ed2866b10c16c34b3
>
守田敏也 MORITA Toshiya
自己紹介:同志社大学社会的共通資本研究センター客員フェローなどを
経て、現在フリーライターとして取材活動を続けながら、社
会的共通資本に関する研究を進めている。
[blog] http://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011
[website] http://toshikyoto.com/
[twitter] https://twitter.com/toshikyoto
[facebook] https://www.facebook.com/toshiya.morita.90
[著書]『原発からの命の守り方』(海象社)
http://www.kaizosha.co.jp/HTML/DEKaizo58.html

(守田敏也氏の[blog]より、了承を得て転載)

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┗■2.東芝不正会計で提訴=株価下落の損害請求-信託各行
└──── 時事ドットコムニュース(2017/01/30-10:41)より

2015年に発覚した東芝の不正会計問題で、三菱UFJ信託銀行など複
数の信託銀行が、株価下落で損失を被ったとして、東芝に損害賠償を求
める訴訟を起こすことが30日、分かった。三菱UFJ信託の請求額は10
億円程度。
信託銀行は、年金基金などが運用する株式や債券などの資産管理を手
掛けている。東芝が15年4月に不適切な会計処理の疑いがあると発表以
降、同社の株価は下落。三菱UFJ信託は資産の目減り分を、同行が出
資する日本マスタートラスト信託銀行とともに3月末に東京地裁に提訴
する方針だ。
三井住友トラスト・ホールディングスとりそな銀行が出資する日本
トラスティ・サービス信託銀行、みずほフィナンシャルグループが出資
する資産管理サービス信託銀行も提訴を検討している。
東芝広報・IR部は「提訴の事実を認識していないのでコメントでき
ない」としている。

┏┓
┗■3.まさかの「東芝倒産」が現実に?日本の原発政策の愚かさを嘆く
| 「原発御三家」の日立も三菱重工も原発に力コブ。前のめり
| 安倍政権は原発プラントの輸出を
| 武器輸出と並んでアベノミクス成長戦略の柱に
└──── 古賀茂明 (経産省の元幹部官僚)

○「『ババ抜きゲーム』と化した世界の原発ビジネスで、日本がジョー
カーを押しつけられている」と嘆く古賀茂明氏
欧米の有力企業が原発ビジネスから手を引く一方で、いまだ前のめりな
日本企業と安倍政権。

○ 『週刊プレイボーイ』でコラム「古賀政経塾!!」を連載中の経済産
業省元幹部官僚・古賀茂明氏は、そんな日本の原発政策の愚かさを嘆く。
* * *
東芝の経営がピンチだ。昨年12月27日、同社はアメリカでの原発ビジネ
スで数千億円規模の損失が発生することを発表した。巨額減損の震源地と
なったのは子会社のウェスチングハウス社(以下、WH社)が15年暮れに
買収したストーン&ウェブスター社(以下、S&W社)である。
S&W社はWH社が建設中の原発4基の土木建設工事を請け負っており、
東芝はWH社を通じてこのS&W社を買収した。不思議なことに買収額は
明らかになっていない。ゼロ円とする報道と270億円程度とする報道が
あるが、いずれにしても、それほど大きな資産価値があったわけではない。
ところが、この会社をめぐって資産査定に大きなミスがあり、数千億円
の損失が出ることが今頃わかったのである。もちろん、これが本当なら今
期の決算でその損失を全額処理しなければならない。 (中略)

○ 安全基準の厳格化で、原発建設はいつ、どんなコストが生じるかわか
らない、利幅が薄く、リスクも極めて高いビジネスになった。アメリカの
GE、ドイツのシーメンスといった巨大企業が次々と原発ビジネスから撤
退しているのは、そのリスクを嫌ってのことだ。
だが、東芝は原発ビジネスに執着し、1度ならず2度も巨額損失を出
し、経営危機を招いてしまった。完全な判断ミスだ。ただ、原発ビジネス
に前のめりなのは東芝だけではない。東芝とともに「原発御三家」と目さ
れる日立、三菱重工も力コブを入れている。
日立はイギリスやリトアニアで、三菱重工はトルコで原発建設の受注に
乗り出し、三菱重工はフランス政府の要請で、実質的に経営破綻している
原発大手のアレバ社に巨額の出資までしようとしている。

○ そして、そんな日本企業を安倍政権は熱心にサポートしている。原発
プラントの輸出を、武器輸出と並んでアベノミクス成長戦略の柱にしてい
るからだ。
欧米の有力企業が原発ビジネスから手を引く一方で、日本だけが官民一
体でさらに大きな賭(か)けに出ようとしている。その意味するところは
「ババ抜きゲーム」と化した世界の原発ビジネスで、日本がジョーカーを
押しつけられているということだ。
その愚に日本企業、そして安倍政権は早く気づかなくてはいけない。
(1月28日週刊プレイボーイNEWSより抜粋)

┏┓
┗■4.東芝「債務超過」へのカウントダウン~
| 残された時間はたった1ヵ月
| 社長会見で露呈した「変わらぬ危うさ」
└──── 町田 徹(経済ジャーナリスト)

○最低最悪の記者会見

「さらなる成長、ひいては東芝グループの企業価値の最大化を実現する
ため、3月31日をめどにメモリー事業の分社化を実現することを、本日の
取締役会で決定いたしました」―。
東芝の綱川智社長は先週末(1月27日)の緊急記者会見で、こう述べ
て、投資家や取引先の金融機関を唖然とさせた。というのは、東芝の経営
のどこにも成長を語る余裕など無かったからである。
同社にあったのは、またしてもメディア主導で明らかになった経営破
たんの「危機」だけだった。そもそも緊急記者会見も、これ以上信用が
毀損するのを放置できなくなって、公の場で釈明する必要に迫られて、
遅まきながら渋々開いたものに過ぎなかった。
それにもかかわらず、綱川社長が説明した打開策は、机上のプランとし
ても生煮えの段階にあり、当事者能力の欠如が歴然としていた。
本来ならば、この緊急記者会見は、メディアに巨額の損失発生をすっ
ぱ抜かれる1ヵ月前に、実態と対応を説明するために開くべきだった。
それを頑なに拒んで1ヵ月も経ったのだから、ステークホルダーからすれ
ば、綱川社長が破たん回避のメドが付いたと報告することを期待していた
はずだ。
万が一、出資のスポンサーが確保できていなければ、せめて「生き残る
ためには何でもやる。虎の子の半導体部門の切り売りも辞さないから、今
しばらくの時間的な猶予を与えてほしい」といった調子で、背水の陣を敷
く覚悟を明確にしてほしかっただろう。
ところが、綱川社長は、こうした期待をことごとく裏切った。
そもそも情報開示の遅れに関する反省・謝罪の弁がひと言もないばかり
か、この期に及んでまだ、事態の深刻さを自覚していないのではないかと
危惧させる言葉を発してしまった。
破たんに瀕した企業の記者会見のケースで最低最悪のサンプルとして
長く記憶されることになっても、まったく不思議ではない内容だったので
ある。
経営破たん回避のために残された時間は、3月下旬まで。東芝の命運は
文字通り「風前の灯」となっている。

○ 先週の本コラム(2017年1月24日付『それでも東芝が原子力部門を切
れない「特別な事情」 背後に経産省とアメリカの影が見える』)でも書
いたが、東芝は過去のわずか2年あまりの間に、3度も経営破たんの危機
に直面している。
最初は2015年5月、それ以前の粉飾決算の存在が判明、2ヵ月以上に
わたって同年3月期決算を発表できないという前代未聞の事態に陥った。
歴代の3社長が同年7月に責任をとって辞任したものの、その2ヵ月
後には2014年度第3四半期までの6年9ヵ月の間に、税引き前利益で22
48億円に及ぶ利益の水増しがあったとして、修正を行う事態になった。
次いで同年11月、それまで東芝が頑なに連結ベースでの減損処理を
拒んできた米原子力事業子会社ウエスチングハウス(WH)に関し、米
監査法人に減損処理を迫られて2012、2013の2会計年度に合計1600億円
の損失処理を実施した事実をひた隠しにしたことで、上場企業としての
アカウンタビリティ(説明責任)で大きな傷を負った。
負の遺産の整理をほぼ終えたとみられていた2016年3月期も、東芝は
大幅な業績の下方修正とみせかけの利益確保に追われる惨憺たる決算を
繰り返した。
その元凶は、またしてもWHを中心にした原子力事業で、減損処理の
原資確保のため、期末を待たずに稼ぎ頭だった東芝メディカルシステム
ズをキヤノンに売却。連結ベースの最終損益は巨額の赤字(マイナス46
00億円)になった。
こうした経緯から明らかなように、東芝で経営危機が常態化した原因
は、2006年10月に企業価値を上回る買収価格で高値掴みしたWHの買収
失敗と、WH社を含む原子力部門を取り巻く環境の変化に即した戦略転
換を長年にわたって怠ってきたことだ。 (後略)
(1月31日現代ビジネスより抜粋)

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